PCがなくては仕事にならない、ほぼ毎日PCを使っている、という人はかなり多いだろう。もはや私たちの「相棒」とも言える存在のPC。しかし、その環境負荷について考えたことはあるだろうか?
PCは、製造から発送、使用にいたるまで、あらゆる工程で多くの資源とエネルギーを必要とする。
そして、そのPCは企業規模になると、100台も、1000台も使用され、環境負荷もその分増える。
昨今、環境問題に対する責任ある行動が企業に強く求められる中で、会社のPC選びもサステナビリティーに考慮することが重要になるかもしれない。
全ての工程で環境に配慮。徹底して環境を考えられているデル・テクノロジーズのPC
そんな中、環境問題に取り組む企業から支持を受け、購入されているPCがある。デル・テクノロジーズのPCだ。
デル・テクノロジーズは、世界でも最も倫理的な企業(2021年度)にも選ばれるなど、サプライチェーンにおけるフェアな取引から、環境問題まで、倫理的な取り組みを幅広く行っている。その中でも、環境問題への取り組みの全体像を知るために、まずはこの表を見てほしい。
普段なにげなく使用しているPCは、設計から製造、出荷と、あらゆる工程で環境負荷がかかっている。表にある通り、デル・テクノロジーズは全ての工程において、環境に配慮しているのだ。
さらに詳しい取り組みについて、クライアント・ソリューションズ統括本部フィールドマーケティングマネージャーの佐々木 邦彦さん、グローバルテイクバック・アセットリセール&リサイクリングサービス内海 雅代 さん(オンラインで参加)に話を聞いた。
バイオプラスチックで、地球約968周の走行分CO2を削減する
「当社は2030年に向けて、Progress Made Realというソーシャルインパクトに関するプランを策定し、同時に『2030 MOONSHOT GOAL』と呼ばれる達成すべき目標を設定しています。その中で、サステナビリティーの推進のためにも目標があり、その達成のために工夫を重ねています」
佐々木さんが話す目標の領域は広い。サステナビリティーの推進、多様性を受容する文化の醸成、生活に変革をもたらすなど、様々なことに焦点が当てられている。製品面においてはリサイクルやリユース、そして梱包材の材料にまで及ぶ。これらの積み重ねにより、2030年までに、温室効果ガス排出量を2018年の約半分にすることを目指しているそうだ。
「製品の半分以上の材料を再利用または再生可能材料にします」という取り組みの1つとして、「バイオプラスチック」の素材の採用がある。
デル・テクノロジーズは、これまで、リサイクルプラスチックや、竹、再生カーボンファイバーを筐体の素材に使用するなど、再生可能資源や、リサイクル材料を早くから取り入れてきた。そして2021年1月、植物由来(木材廃棄物)のバイオプラスチック素材を使用した製品が登場した。
Latitude 5000シリーズは、カバーの71%が再利用・再生可能な材料であり、そのうち21%がバイオプラスチックである。このバイオプラスチックは木材廃棄物から作られる。
「木材は、加工する際に木のチップが出るんですね。そのチップは、紙の製造に活用されますが、そこでも廃棄物は出てしまう。その廃棄物から生まれたバイオプラスチックがLatitude 5000シリーズに使用されています」
佐々木さんの話から、再利用する材料の中でも、よりサステナブルなものを選ぶデル・テクノロジーズのこだわりが感じられた。
このバイオプラスチックの使用により、デル・テクノロジーズはCO2排出量を約973万キロ削減する。(※1)これは2,420万マイル、つまり「地球の約968周分」を車で走行した時の排出量に相当する。サステナブルな材料選びにより、これだけ大きな差が生まれるのだ。
クジラが描かれた梱包材には、海洋プラスチックを使用
細部まで環境に配慮していることがわかるのが梱包材である。
「梱包材は非常に小さくなっています。形状が小さいと、一度に効率よく運ぶことができるんです」梱包材に余分な資源を使わないだけでなく、輸送時のエネルギーの削減につながっているそうだ。
さらに、クジラが描かれた梱包材には、100%リサイクル素材であること、そのうち50%が海洋プラスチックであることが記載されている。残りの50%にもリサイクル済みのHDPE(高密度ポリエチレン)が使用され、未使用のプラスチックは使用されていない。
「海に流出する前に沿岸地域でプラスチックを回収し、このような梱包材に使用しています」と佐々木さんは解説する。近年、大きな問題になっている海洋プラスチックにも、デル・テクノロジーズはアプローチしているのだ。
無駄な製造・回収が起こらない。長く安心して使える品質の高さ
環境に優しい製品を選ぶ際には、長く使えるかという視点も重要だ。デル・テクノロジーズの耐久性テストには、目を見張るものがある。1000万回キーを連打し、最大65℃まで温度を上げ、持ち運びを想定したねじれ検査は5万回行われる。日常のちょっとした衝撃には、優に耐えられる作りになっているのは長期的な使用を考えた時に安心だ。
「当社のPCは、初年度のディスパッチ率(購入後1年間で部品交換が必要になる確率)が業界でもかなり低い水準にあると思います 」と佐々木さんは自信を見せる。品質へのこだわりがディスパッチ率を低下させる。これは、無駄な製造・回収も減らしているということだ。
PCが環境に優しいのかを知るためには、他にも多くの考慮するポイントがある。例えば、使用時の消費電力も気になる点だ。電気代はもちろん、電力消費によるCO2の排出は可能な限り減らしたい。そんな時に、EPEAT(※2)は一つの目安になるだろう。
「デル・テクノロジーズのPCの多くはEPEATゴールドです。他にも様々な評価システムがありますが、それらに準拠できるように製品をつくっています」
環境に配慮した製品か判断が難しい場合は、評価システムの認証を受けているかを確認してみるといいかもしれない。
リサイクル完了後、報告書が送られる。データ消去も徹底
大事に使っているPCも、いつかは手放す時がくる。環境のことを考えれば、リユース・リサイクルをしたいところだが、そんな時もデル・テクノロジーズのサービスは便利で安心だ。
まず、買い替えの際は、自社製品だけでなく、他社製品も回収している。「デル・テクノロジーズはゴミを出すことをとても嫌っています」と内海さんはきっぱりと言う。そこには、創業者であるマイケル・デルの強い意志があるそうだ。2030年の目標として「お客様が購入するすべての製品について、同等数の製品を再利用またはリサイクルします」が掲げられていることからも、その意志は見て取れる。
また、企業にとってリサイクル時に気になるのは、「データの漏洩」だ。デル・テクノロジーズはデータの削除も請け負い、その報告書を送付する。
「報告書には、回収した台数分、エクセルの行があります。1台1台、データを消去できたのか、できなかった場合、HDDのシリアル番号と、物理的に破壊したことまで記載します」上の画像は、回収後に送られる報告書のサンプルの一部だ。内海さんの言葉通り、1台ずつ、詳細に記載されていることがわかる。
デル・テクノロジーズのサポートがあれば、データ漏洩の観点からも安心してリサイクル対応ができそうだ。
相棒は、心から愛着のもてるものを選ぼう
「PCは、相棒的な存在だと思う。だからこそ、環境はもちろん、みなさんが効率良く作業できるよう、細かい改良を重ねている。愛着を持って使っていただきたい」と最後に佐々木さんは熱く語った。
相棒だからこそ、心から愛着がもてるものを選びたい。自分の相棒であるPCが、環境に配慮されたサステナブルな製品だとしたら、さらに大切に使えそうだ。
まずは、今のPCを大切に使用し、手放す時は安全にリユース・リサイクルをすること。そして、次のPCはスペックだけでなく、サステナビリティーの視点からも製品をチェックしてみてはいかがだろうか。
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取材時に、佐々木さん、内海さんに見せていただいた資料の一部を掲載する。記事には掲載できなかったデータ等もあるため、ぜひこちらの資料も参考にし、PCのサステナビリティーを考える一助にしてほしい。