海洋科学者の国際チームが、タコの「生育所」を、コスタリカ沖で発見した。
タコが集団で産卵する生育場が見つかったのは、コスタリカ沖の水深2800メートルの場所にある、ドラド岩礁だ。
ドラド岩礁では2013年に、卵を抱えたメスのタコの集団が目撃されたが、この時は、卵が孵るところまでは確認されなかった。
深海性タコは冷たい水を好むが、ギズモードによると、ドラド岩礁は熱水噴出孔の近くに位置しており、比較的低温とはいえ周囲よりも水温が高くなっている。
しかし今回の調査で、コスタリカやアメリカなど複数の国の科学者からなるチームは、ドラド岩礁でタコの卵の孵化を確認。この場所がタコの「生育場」として使われていること突き止めた。
さらに、チームはドラド岩礁の近くでも別の生育場を発見した。
これまでに世界で確認されているタコの生育所はカリフォルニア州モントレー沖の1つだけだったが、今回の発見でその数は3つに増えた。
今回コスタリカの生育場で見つかったのは、墨袋を持たない小~中型の、ムースオクトパス(Muusoctopus)属の深海性タコだ。
科学者たちは新種の可能性もあるとしているが、まだ断定されていない。
調査に携わった「シュミット海洋研究所」のエグゼクティブ・ディレクター、ジョティカ・ヴィルマニ博士は、発見について「私たちが海について学べることがたくさんあることを証明している」と、プレスリリースで述べている。
また、生育場が見つかったドラド岩礁を含む海山は、現在は保護されていないものの、今回の発見が海洋保護地域への指定を後押しする可能性がある。
コスタリカ大学のホルヘ・コルテス博士は、「調査は自国を知る絶好の機会だった」と述べている。
「多くの地元の科学者や学生が参加しました。今後、深海の研究がさらに進むことになるでしょう。今回入手した今回入手した情報やサンプル、画像は、コスタリカの豊かさを伝え、科学や研究に使用され、コスタリカにある貴重なものやその保護についての認識を高める上で、非常に重要です」
ハフポストUS版の記事を翻訳・編集しました。