最後は笑いながら見送ってほしい。
アイルランド・ダブリンに住む男性が、自身の葬式で人生最後のジョークを披露して、悲しみにくれる参列者を笑わせることに成功した。
10月12日にとりおこなわれた葬儀で、シェイさんの棺を墓地に運び、深く掘った穴の底に置いた時、参列者を仰天させる出来事が起きた。
棺の中から突然、ブラッドリーさんの声が聞こえてきたのだ。
「ハロー?ハロー?ハロー?私を出して下さい!」。さらに、棺の蓋をドンドンとノックする音が聞こえた。
シェイさんの声は続く。
「一体全体、私はどこにいるんだ?……ここから出して下さい。ここはとても暗い。その声は神父さんか?……私はシェイです。箱の中に入れられています。目の前にいるよ!私は死んでいる」
さらにブラッドリーさんの歌声が聞こえ始めると、参列者たちの中には笑いをこらえきれず、涙を拭う人もいた。
シェイさんは「またお会いしましたね。こんにちは。さよならを言いたくて、電話をかけたんだ」と、ニール・ダイアモンドの『Hello Again』の歌詞をアレンジした歌を歌った。
実はこのシェイさんの声は、生前に録音されたものだった。娘のアンドレア・ブラッドレーさんはハフポストUS版に、シェイさんが約1年前に録音していたと話す。
このことを知っていたのは、アンドレアさんときょうだいのジョナサンさん、そしていとこのベンさんだけだったという。
葬儀の2日前に、ジョナサンさんが彼らの母親と他のきょうだい達に父親が企んでいたいたずらのことを明かし、録音していた音声を葬儀で流すことが父の生前の望みだったと伝えた。
「父は母が墓地を去る時に、泣いて欲しくなかった。笑って欲しかったのです」とアンドレアさんは話す。アンドレアさんの両親は子どもの頃から恋人同士で、結婚してからは43年間をともにした。
アンドレアさんは葬儀後に、父の最後のジョークを撮影した動画をFacebookに投稿した。それをたまたま1人のTwitterユーザーがメッセージアプリWhatsApp(ワッツアップ)で発見し、Twitterでシェアしたところ拡散した。
アンドレアさんは13日に、その動画にリプライする形で、父親の写真を投稿した。
「これが、本人の写真です。私の父、シェイ・ブラッドレーです。音声を葬式で流すのは、父の生前からの希望でした。なんて人なんでしょう……私たちが悲しみに暮れている時に、笑わせようとするなんて……。彼は素晴らしい人でした。パパ、あなたをずっと愛しています」
さらにアンドレアさんは、「ジョークは父にとってさよならを言うためだけではなく、『OK、悲しむのはここまで。ここからは笑って、私の人生を笑顔で祝ってくれ』と伝えるための方法だったのです」と話す。
「こんな冗談ができる人は、なかなかいません。そんな父のことが、私は大好きです」
ハフポストUS版の記事を翻訳しました。