「中国人は採用しません」と投稿した東大特任准教授が謝罪

Twitterの投稿がきっかけで、スイス企業との業務提携が解消されていた。
東京大学の安田講堂
東京大学の安田講堂
時事通信社

東京大学大学院情報学環・学際情報学府で特任准教授を務める大澤昇平さんが12月1日、Twitterで「当職による行き過ぎた言動が、皆様方にご迷惑、不快感を与えた点について、深く陳謝します」と謝罪した。

大澤さんは自身が経営する会社で「中国人は採用しません」などと人種差別と見られる投稿をTwitterで繰り返して批判を浴びていた。該当ツイートは削除された。

■「人種差別ではないか」と批判殺到。東大が調査委設置

大澤さんは1987年生まれ。東京大学・松尾豊研究室で人工知能とウェブに関する博士号を取得。著書に『AI救国論』がある。世界中の開発者が協力してAIを制作できるプラットフォーム「Daisy」を開発するための株式会社Daisy代表取締役CEOを務めている。

大澤さんは「東大最年少准教授」とプロフィールに掲げたTwitterアカウントで11月20日、「弊社 Daisy では中国人は採用しません」「中国人のパフォーマンス低いので営利企業じゃ使えないっすね」などと投稿。「人種差別ではないか」と批判が殺到していた。

これを受けて、東京大学は同月24日に「書き込みは大変遺憾」とする見解を発表した。28日には対応措置を検討するために調査委員会を設置した。

■公開講座への寄付停止。スイス企業は業務提携を解消

大澤さんが特任准教授を務める東京大学の「情報経済AIソリューション寄付講座」は、企業からの寄付で運営されているが、今回の投稿を受けて、寄付元のマネックスグループオークファン大広の3社は、いずれも該当講座の寄付を停止した。

さらにDaisy社が業務提携しているスイスのデータプラットフォーム企業「Steamr」が11月27日、「株式会社Daisy代表による差別発言を受け、StreamrではDaisy社との提携を解消いたしました」と発表するなど、大澤さんの事業そのものにも影響が出ていた。

今回の株式会社Daisy代表による差別発言を受け、StreamrではDaisy社との提携を解消いたしました。詳細については以下をご参照ください。 https://t.co/P9XxERoysl

— Streamr (@streamr) November 26, 2019

■大澤さんの謝罪ツイート

大澤さんが12月1日に投稿した一連の謝罪ツイートは以下の通り。

[Apology]
この度は当職による行き過ぎた言動が、皆様方にご迷惑、不快感を与えた点について、深く陳謝します。

①一連のツイートの中で当職が言及した、特定国籍の人々の能力に関する当社の判断は、限られたデータにAIが適合し過ぎた結果である「過学習」によるものです。

— 大澤昇平 :: AI 救国論 🇺🇳 (@Ohsaworks) December 1, 2019

②誤解のおそれのあると見られるツイートを削除し、今後は本業と関係のないツイートは自粛します。

二度と特定の人々に悲しい思いをさせぬよう、諸先輩方のお力添えを受けつつ、人権、歴史、社会について勉強をし直す所存です。

何卒、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いします。

— 大澤昇平 :: AI 救国論 🇺🇳 (@Ohsaworks) December 1, 2019

③当職は自由こそがイノベーションを生み、人類を発展させると信じてきました。

世界は自由でなければならず、独裁は許されないことです。

まして、それによって人々の自由が制限されたり、財産が奪われたりすることには不寛容であるべきです。

— 大澤昇平 :: AI 救国論 🇺🇳 (@Ohsaworks) December 1, 2019

平素よりウイグルやチベット、そして香港の人々には共感しておりました。

が、その義憤が、今回の行き過ぎた言動に繋がってしまった点は否定できません。

しかしながら、独裁に抗議するのであれば別の表現をするべきであり、
その点に配慮がなかった点について深く反省しています。

— 大澤昇平 :: AI 救国論 🇺🇳 (@Ohsaworks) December 1, 2019

なお今後、当職のツイートを差別に用いることはくれぐれも自粛願います。

— 大澤昇平 :: AI 救国論 🇺🇳 (@Ohsaworks) December 1, 2019

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