会員制スーパー「コストコ(中国名:開市客)」の中国第1号となる店舗が8月27日、上海市でオープンした。
開店と同時に多くの人が詰めかけ、駐車場が3時間待ちになるなど大盛況を見せた。コストコの収入源となっている会員数もオープンから2日で10万人を超えるなど、出だしは好調だ。
一方で、中国の転売サイトには会員権を利用して「代わりに買い物をする」サービスを持ちかける人も現れるなど、会員制サービスを逆手に稼ごうとする動きもある。
■駐車場は3時間まち
中国メディアは、コストコの盛況ぶりを連日報じている。
コストコは有料の会員制スーパー。会費を収入源としつつ、大容量の商品を安価で販売する戦略が人気を集め、日本にも26の倉庫店を持つ。
上海では鶏肉や、白酒の一種・茅台(マオタイ)などに人気が集中したという。
あまりに多くの客が詰めかけたため、コストコは午後で営業を停止。オープン初日の営業時間はわずか5時間ほどだった。
翌28日は混雑対策として売り場内の人数を最大2000人までとしたが、入り口には入場を待つ長蛇の列がみられたという。
■“Costco代購”が出現
コストコの特徴である会員制を逆手にとった稼ぎ方も現れている。
中国のフリマアプリ「閑魚(しえんいー)」で「コストコ」と検索すると出てくるのは「上海Costco代購」などという商品を出品している人たちだ。
「代購」とは「代理購入」を意味する。コストコの会員カードを入手した人間が、非会員や上海から遠く離れた場所に住む人のために、代わりに商品を購入して送るサービスだ。
このサービスを出品しているたちの投稿を見ると、代理購入のマージンとして商品価格の8〜10%程度を上乗せした値段が請求されるようだ。
中国のネット空間では代理購入は珍しいサービスではない。例えば日本在住の中国人が、日本で売られる化粧品などを一括で購入して中国向けに転売するケースもあり、こうした人たちは「ソーシャルバイヤー」とも呼ばれている。
ただ、コストコをめぐる転売については、中国特有のものとは言えなさそうだ。「コストコ 転売」でグーグル検索したところ、同じようなやり方で利益を出せるとしたブログやYouTube動画などが次々にヒットした。
こうした“商売”に勤しむ人たちの間では「コストコせどり」などと呼ばれているようだ。