赤江珠緒アナ、家族が感染した立場から「いま準備しておくこと」6ヶ条【長文レポート全文】
フリーアナウンサーの赤江珠緒(45)が16日、パーソナリティーを務めるTBSラジオ『赤江珠緒たまむすび』にメッセージを寄せ、テレビ朝日系『報道ステーション』スタッフで新型コロナウイルス感染の疑いがあった夫が、PCRの検査の結果「陽性」だったことを報告した。
赤江アナは、実際に家族に感染者が出た立場として、自身の家族状況などを踏まえて感じたことや考え方を、長文のレポートにまとめた。リスナーが自分と同じ立場になった場合に準備しておくべきことなど、重要な情報も多く含まれているため、コメント全文を紹介する。
●赤江珠緒アナからの報告(一部要約)
たまむすびリスナーのみなさまへ
こんにちは、いかがお過ごしですか。赤江珠緒です。今週月曜日から出社できず、ご心配おかけしております。その間、たくさんのメッセージありがとうございました。心から御礼申し上げます。
PCR検査の結果が出ましたので、ご報告させていただきます。我が家の状況は夫が陽性で感染していました。11日土曜日から発症し、現在は熱が上がったり下がったりという状態です。夫の症状が出てから、検索結果が出るまで、しばらく自宅で過ごしておりましたので、私と娘も検査してもらえるよう、現在も自宅で待機しております。そんな慌ただしい数日間でしたが、私なりに考えたことがありましたので、それもお伝えしますね。
未知の病ということで、この病気に関しては周囲の目がほかの病より気になりますよね。私の場合は実名で報じられますので、選択の余地はないのですが、いまだにかかったことを周囲に知られたくないという方も少なくないと聞きます。そして、実際に私のように現実に迫ってくると、そのような心理もわからなくもないです。例えば、防護服姿も日常生活では見慣れていなくて、保健所から家の前に迎えが来るという状況になったら、誰の迷惑にならないかとか、余計なことを考えてしまいました。
でも、そういう思いが強まりすぎて、状況をひた隠しにすればするほど、この病の実態が世の中に見えてこない気がします。できるだけ、他人にうつさないように細心の注意は払うべきですが、それでもかかってしまうのが世界の状況です。感染ルートをたどる意義もあるでしょう。ただ、誰が誰にうつした、この人の前のその前は誰っていう過剰な犯人探しは今この時点において必要でしょうか。もちろん、かからないことがベストですが、その一番の目標のもとに、かかった場合、なるべく体力的にも精神的にも軽めに治すという2番目の目標を掲げる時期のようにも感じています。
そのために、うちの場合はこうですということ、その中でお役に立てることが少しでもあればと思い、以下感じたことをまとめました。この病気は症状にもかなり個人差もありますし、それぞれの家族構成、生活状況、お住まいの地域、体質などによって問題点はそれぞれ変わってくると思います。参考にならないこともあるでしょうが、すべての経験者が自分がこうだったと正々堂々と発信して、もっと病の輪郭がわかればいいなと願っています。ですので、あくまでその一例として、我が家のきょうまでの状況で気づいたことをお伝えします。
我が家は、夫40代、私40代、娘2歳の3人家族です。夫がPCR検査を受けてから、結果は3日後にわかりました。その前に肺のレントゲンで肺炎の症状がありましたので、おそらく陽性と見て、自宅で待機、家族で社会生活を止めることになりました。このように家族ひとりがかかっても、全員が家から出られないケースが誰の身にも突然やってくるかもしれません。
事前にできる準備としては
(1)2週間分の隔離生活の用意をスーツケースなどにある程度まとめておく。発熱してからだと、慌てます。その中で意外に忘れがちな入院グッズは、サンダル、シャンプー、リンス、洗顔料、ドライヤー、冷却できるものもあればオススメとのことです。夫は上記のものをすべて忘れていたので、Amazonで取り寄せたそうです。
(2)もっと事前にできることとしては、家を少しでも片付けて、できるだけスペースを作っておくことをオススメします。自宅での対応には限界がありますが、家庭内の動線がわかりやすくなりますし、消毒していく箇所も多少片付いているとやりやすいです。あと、何より体調に異変のない家族の運動スペースにもなるかと思います。
(3)玄関前に食品など、必要なものを届けてくれる存在の確認。ネットを駆使して出前できるお店をチェックしたり、友人・近所付き合いの声掛けも必要かと思います。私も実際まったく出られないので、マネージャーや友人にドアノブの前に置いていってもらう“笠地蔵方式”をとっています。
(4)同時にほかの病気や怪我になっても簡単に出られないので、置き薬。もうされているかもしれませんが、持病のある方は処方箋を事前に発行してもらって、他の人に頼める状態にするのも必要だなと思いました。それでも万が一の怪我の時に、専用救急車も拡充されているのだろうか、なんてことも考えました。
(5)我が家の場合は親が共倒れになった場合、子供の面倒は誰が見るのかという問題があります。ともに陽性だった場合、母子ともに同室だそうですが、40度近い熱の上がり下がりでオムツを変えたり、具合が悪くなく遊び回りたい、まだ病気のことなど理解できない子供と同室で療養できるのだろうか。これに関しては情報もなく、まだ解決策も思いついていません。夫と私の発症のピークがせめてずれることを願うばかりです。
(6)そして病と戦う上でもう一点気になっていることが、PCR検査で陰性、回復の状況がしっかり確認されれば今度はその人が社会に戻って、社会を回していけるというような世間の理解がどの程度あるのだろうかということです。ウイルスを警戒してきちんと恐れて感染者を増やさないと同時に、ウイルスとある程度共存していく社会の理性が育まれなければ、この病との戦いはますます厳しくなってしまう気がしてなりません。コロナを忌み嫌うあまり、この病の本来の致死力以上の怖さを、この病に与えてしまってはいけないのでは。そんな事を考えました。
長々とつづってしまいました。これが今、4月15日深夜時点での私なりに感じたことや考えたことです。私の体調といいますと、連日げ生活の激変に多少疲れはあって、残念ながら万全とは言えませんが、今のところ子供を寝かしつけてからこの手紙を書くくらいの余力はあります。これ以降は保健所の方と相談しながら進めてまいります。当面通常の放送はかないませんが、そこは超強力なパートナーといつも本当に気持ちよく代理を引き受けてくれるエリツィン(外山惠理アナの愛称)がいるので心配はしていません。エリツィン、いつも本当にありがとう。ハッキリ正直に言うあなたが「ラジオが好きな仕事だからいいの」って言ってくれるので、本当に好きなんだろうなと思って、甘えさせてもらっています。ごめんね。しばらく基本的には番組をお休みして、家族のことを優先させていただきます。
手紙という形でのご報告、せめて直筆でと思ったら、ファクスになってしまいました。スタッフごめんよ。少数精鋭が信条のラジオですので、私が言うのもなんですが、みんなもどうぞ体調に気をつけて。あとは月並みなことしか言えませんが、踏ん張ってまいります。『たまむすび』なのに明るい内容じゃなくて、面白いことのひとつも言えずすみません。そうそう、入院用に用意するサンダルですが、あの土屋礼央氏も愛用のたまむすビーチサンダルがオススメです。リスナーのみなさまご自愛ください。
【関連記事】