中国・武漢市を中心に感染が広がる新型肺炎について、日本人への感染が一層懸念される状況になっている。
厚労省の発表によると、政府のチャーター機で1月29日朝に武漢市から帰国した日本人206人のうち5人に、微熱やせきの症状があり、都内2カ所の医療機関に搬送された。毎日新聞によると、このうち2人が肺炎と診断された。病院で新型コロナウイルスによるものかどうかを調べているという。
また、菅義偉・官房長官は1月29日午後の会見で、武漢市で重度の肺炎を発症した60代の日本人男性について、「新型コロナウイルスの陽性の疑いが高いが、最終的な結果は確定していない」と、現地の入院先の病院から連絡があったと明かした。
厚労省の1月29日の発表によると中国で確認された感染者5974人で、うち死亡者は132人。日本で確認された感染者は計7人となっている。このほか、アジアや欧米各国で感染者が確認されている。
【UPDATE】TBSニュースは、武漢市から日本に帰国直後に入院していた5人について「新型コロナウイルスの検査結果が陰性だった」と報じた。最新の情報では帰国者のうち計12人が入院している。また、NHKニュースによると武漢市からのツアー客を乗せたバスにガイドとして乗車した大阪に住む40代の女性が29日、新型のコロナウイルスに感染していることが確認された。このバスはすでにウイルスへの感染が確認された60代男性が運転していたという。(1/29 23:14)
■厚労省が掲載している「国民の皆様へのメッセージ」
○新型コロナウイルス感染症の現状からは、中国国内では人から人への感染は認められるものの、我が国では人から人への持続的感染は認められていません。国民の皆様におかれては、過剰に心配することなく、季節性インフルエンザと同様に咳エチケットや手洗いなどの感染症対策に努めていただくようお願いいたします。
○武漢市から帰国・入国される方におかれましては、咳や発熱等の症状がある場合には、マスクを着用するなどし、事前に医療機関へ連絡したうえで、受診していただきますよう、御協力をお願いします。 また、医療機関の受診にあっては、滞在歴があることを事前に申し出てください。