各地で新型肺炎の感染が起こっていますが、同時に今は花粉症のシーズンです。この時期に体のだるさや微熱があれば、「新型肺炎に感染したのかも」と心配する人も少なくありません。どうしたら新型肺炎と花粉症の区別がつくのでしょうか。
初期症状が似ている新型肺炎と花粉症
「新型肺炎の初期症状と花粉症はとてもよく似ています。そのため花粉の飛散が始まったこの時期、花粉症なのに新型肺炎の感染を心配する人がいます」と言うのは、横浜相原病院(横浜市瀬谷区)の吉田勝明院長です。
新型肺炎は、だるさや微熱など風邪に似た症状で始まります。37.5℃以上の発熱が4日以上続いたり、強いだるさや息苦しさ、呼吸困難があれば、「帰国者・接触者センター」に相談した上で、センターが指定した医療機関で受診するよう厚生労働省は呼びかけています。
花粉症は、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみが主症状ですが、咳が出る、熱っぽい、体がだるいといった症状が出る人もいます。新型肺炎と花粉症の区別がつきにくいのです。
花粉症なら天候で症状が違う
「花粉症の特徴は、天候で症状が変化することです。雨が降ると花粉の飛散がおさまるため症状は軽くなり、晴れると花粉が大量に飛散するため症状がひどくなります。特に雨が降った翌日に晴れると、症状がいっそう強まります。天候によって症状の変化があれば花粉症の疑いが強く、それがなければ、花粉症とは違う風邪やインフルエンザ、あるいは新型インフルエンザの可能性があります」(吉田院長)
毎シーズン花粉症に悩まされている人なら、「今年も花粉症が始まった」とわかるでしょうが、新たに“花粉症デビュー”をする人も少なくありません。天候によって症状が変化するようなら花粉症の可能性が強いことを覚えおいてください。
ただし、花粉症の人は、目がかゆいので目をこする、鼻水が出るので鼻をかむといったことで、手で顔に触れる機会が増えます。手が新型コロナウイルスに汚染されていたら感染する機会が増えることになります。つまり、花粉症と新型肺炎の症状が合わせて出ている可能性もあるのです。発熱が続くようなら、医療機関で診てもらってください。
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