コロナ禍で失業したり収入減となった世帯の子どもたちを応援しようと、滋賀県社会福祉協議会(草津市)が商品券を贈呈する活動に乗り出した。幅広く協力を募ろうと募金箱を設置し、一人50円の寄付も呼び掛けている。県社協は「県民140万人につなげたい」といい、7000万円が目標。「県民の方々の支援で子どもたちの笑顔を増やしたい」と話す。
取り組みのきっかけは、3月25日から全国の社協を窓口にして始まった生活福祉資金の緊急貸し付け。コロナ禍の影響で失業したり、収入が減った世帯が対象。最大20万円を無利子で貸し付ける緊急小口資金と、3カ月間継続して貸し付けが受けられる総合支援資金がある。
県社協には5月末までに3102世帯の申し込みがあり、うち3割の約900世帯は中学生以下の子どもがいることが分かった。
県社協はこうした事態を受け、子どもがいる世帯を対象に、「コロナショック! 滋賀の子どものほほえむ力サポート事業」と題した支援策を打ち出した。
菓子類や玩具などの購入に役立ててもらおうと1世帯3000円の商品券を贈ったところ、「2カ月間、家で頑張った孫に何か喜ぶ物を買ってあげたい」といった喜びの声が多く寄せられた。
また、現在の暮らしぶりを尋ねるアンケートを行った結果、「資金援助を受けることができ、死ななくて良かった」といった深刻な状況も浮き彫りになった。
このため、県社協は「コロナ禍の影響は弱い立場の人たちに深刻に現れる。継続的な支援が必要」と判断。第2弾として、県民に50円の善意を呼び掛ける緊急支援募金を企画した。
7月から県内のスーパーや保育園など県内600カ所を目標に募金箱を設置し、9月末までの3カ月間、寄付金を呼び掛ける。口座振り込みでも寄付を受け付けているほか、近くSNS上にクラウドファンディングを開設し、インターネット経由でも善意を募る。今回の募金をもとに、10月に2回目の商品券を贈呈したいという。
県社協は昨年、「ひたすらなるつながり」という地域福祉の理念を打ち出した。事業を統括する谷口郁美事務局長は、「今後も可能な限り支援を続け、障害のある子どもさんや一人親世帯にも対象を広げていきたい」と話している。