ワン…ワン…!
アメリカ沿岸警備隊のライアン・マクマホン二等兵は1月、テキサス州ヒューストン港に積み上げられた海外輸出用コンテナの1つから、犬の鳴き声と引っ掻くような音がするのに気付いた。
鳴き声がしたコンテナは地上約8メートルの高さにあったため、クレーンを使って降ろしたところ、中から人懐っこい1匹の犬が現れたという。
マクマホン二等兵は「コンテナを開けた途端に、小さな犬が顔を出しました。まるで私たちが開けることを知っていたかのようにそこにいて、何一つ怖がる様子を見せませんでした。暗い空間から抜け出し、自分の面倒を見てくれる人たちの腕の中にいられるのがとても嬉しそうでした」とAP通信に述べている。
「コンテナ犬のコニー」と名付けられた犬は、少なくとも8日間コンテナの中に閉じ込められていたことがわかった。1週間以上飲まず食わずだったコニーは汚れ、痩せていたという。
コニーは地元の保護施設に移されたものの、マイクロチップや首輪、IDなど、飼い主の手がかりになるようなものは何も身につけていなかった。
飼い主だと名乗り出る人もいなかったため、犬を専門に保護しているメリーランド州のNPO「フォーエバー・チェンジド・アニマル・レスキュー(FCAR)」に引き取られた。
空腹状態で鳴き続けたことで命が助かったコニーに、新天地でさらなるサプライズが。FCARは2月7日、超音波検査でコニーの妊娠がわかったと報告した。
「お腹の子犬からはしっかりとした心拍が聞こえ、元気に動き回っていました。8日間以上飲まず食わずだったので、私たちは慎重に見守っていますが、見る限り希望が持てる状態です」とFacebookにつづっている。
コニーはFCARで出産した後、親子ともに里親を募集する予定だという。
FCARの創設者で獣医のアンドレア・ディオデスさんは「コニーには里親希望者が殺到するでしょう」とワシントンポストに話している。
また、ディオデスさんはコニーの妊娠を「本当に幸せなこと」と述べた一方で「里親が見つからず安楽死させられるかもしれない子犬たちがいるという厳しい現実があることも知ってほしい」とも語っている。
コニーがどのようにしてコンテナの中に入ったのかはわかっていないが、中には部品を売却する予定の廃車が詰め込まれていたため、廃車置き場にあった車と一緒に入ってしまったのではないかと考えられている。
ハフポストUS版の記事を翻訳・加筆・編集しました。