「ガクガクブルブル…」「めちゃくちゃ怖い話だった」「理解すると恐ろしい」。
「ぶんぶくティーポット+」の連載で知られる漫画家ユニット・森長あやみ(@morinaga_ayami)が1月24日、公式Twitterに投稿した4ページのマンガがSNSで注目を集めている。
■博士が発明した「局所的因果律消去装置」とは…
このマンガのタイトルは「局所的因果律消去装置」。研究所と思われる場所で、博士と助手の2人の女性が描かれるSF短編だ。
博士が発明したのは、銃のような形をした「局所的因果律消去装置」。発明した博士によると、この装置に撃たれた相手を生命だけでなく「存在したという事実」すら消してしまう恐ろしい発明だが、まだ実験はしていない。不思議がる助手に対して「めちゃくちゃムカつく相手で試してみたい」と話す。
助手は「こんなストレス社会に生きてるんですから腹立つ相手の一人や二人すぐに現れるでしょう?」と聞くが、博士は「いざ実験だとなると、こんどはなかなか腹立つような出来事も起こらなくて…」と答える。
そんなやりとりをしている、長く掃除をしていなかった部屋にゴキブリが出現。博士は助手に対し、「そうだ この銃使え!!」「ゴキブリなら相手に不足はない!!」と装置を撃つように仕向けるが……。
最後のコマをよく見ると、読者は恐ろしいことに気づくことになる。
■一番怖いのは「何が起きたかを証明する手段がないこと」と作者
ハフポスト日本版では、森長あやみでストーリーを担当しているdyneeさんに取材した。最後のコマに多くの反響が出ていることについて「一番怖いのは、何が起きたかを証明する手段がないことかもしれません」とコメントした。以下は一問一答だ。
―― このマンガはどんなことをきっかけに思いついたのでしょうか?
普段の漫画連載の仕事の副産物です。ギャグマンガのネームを考えているときに、ギャグマンガのお話が浮かぶと仕事が進んでいいのですが、たまにこのような何とも言えないネームが頭に浮かびます。そういうものはTwitterに投稿するに限りますね。
―― 最後のコマを見て怖さを感じた人も多いようですが、作者としてはどう思いますか?
かなり明示的に「何かがあった」ことが示されているコマですね。一番怖いのは、何が起きたか(そして何が起きていないのか)もはやそれを証明する手段がないことかもしれません。
―― 博士は何のために「局所的因果律消去装置」を発明したのでしょう。
どうしてでしょうね。理由があったとしても既に失われているでしょうし……。そもそも、この装置が過去の出来事をも消し去ってしまうものである以上、これは博士が開発したかどうかすら怪しいシロモノなのです。
―― もしご自身が「局所的因果律消去装置」を入手したら、どうしますか?
危なすぎて使えないと思います。でも迷わず壊せるほどの信念が私にあるかどうか。