イギリスの人気ロックバンド「コールドプレイ」が環境問題への配慮からワールドツアーを休止したことを、日本の小泉進次郎環境相が「素晴らしい」と絶賛した。一方、登山家の野口健さんが「単なるパフォーマンス」と批判している。
■コールドプレイ「ツアーをサステナブルなものにする」
コールドプレイは、2015年にリリースした7作目のアルバム「ア・ヘッドフル・オブ・ドリームス」では、5大陸を回るワールドツアーを行い、計122回のステージを披露していた。11月22日には8作目となる「エヴリデイ・ライフ」をリリースしたが、ワールドツアーは実施されないことが発表された。
ワールドツアーの代わりに22日、ヨルダンで日の出と日の入りに合わせて2回の公演を開催し、YouTubeで世界中に無料配信された。
BBCの記事の中で、ボーカルのクリス・マーティンは「この1~2年は、ツアーをサステナブルなものにするだけでなく、環境にプラスの影響を与えられるように運営の方法を考えていく」と話した。
「最大の難関は飛行機での移動だ」として、飛行機の利用による二酸化炭素の排出が地球温暖化に影響を与えることを考慮したという。
■小泉進次郎氏が絶賛「大変素晴らしいこと」
小泉進次郎環境相は26日午前の記者会見でコールドプレイのことを取り上げた。自身もファンだということを明かした上で、TBS NEWSによると以下のように話した。
「我々、環境省とか国が直接メッセージがなかなか届くことが難しい層、そういった皆さんに『なぜコールドプレイが飛行機乗らないんだろう?』と。そういったかたちで、何かを考えるきっかけになるとしたら、それって大変素晴らしいこと」
■野口健氏が批判「単なるパフォーマンス」
一方、絶賛の小泉氏に対して登山家の野口健さんは「単なるパフォーマンス」と批判した。
環境に配慮して飛行機を利用しないことについて「ファッションというか子供の発想」「環境の為に飛行機に乗らないのならば車だってアウト」と続けた。
■スウェーデンは「飛び恥」という言葉も。グレタさんのヨット利用も話題に
近年、ヨーロッパでは、飛行機に乗ることで温室効果ガスを排出し、温暖化を悪化させるという知識が広まり、鉄道などで移動する人が増えている。スウェーデンでは「飛び恥(Flygskam)」という言葉まで生まれた。
スウェーデンの16歳の環境活動家グレタ・トゥーンベリさんが、ニューヨークで開かれた国連の気候変動会議に出席するためにヨットで大西洋を横断したことが大きな話題になった。12月にスペインで開かれる会議でもヨットを利用するという。
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