コインチェック社は1月28日、公式サイト上で、盗まれた仮想通貨NEM(XEM)を保有していた人たちへの補償方針を発表した。発表によると1月26日に不正送金されたのは、5億2300万XEMで、保有者は約26万人だった。その全員に「日本円で返金する」としている。
補償額については、他の仮想通貨取引所のレートを参考にし、XEMの保有数あたり「88.549円」としたという。補償の時期や手続きについては「現在検討中」。返済の原資は「自己資金」からとしている。
同社は今回の事件について、「一部サービスの停止などお客様、取引先、関係者の皆様にご迷惑をおかけしており、重ねてお詫び申し上げます」と謝罪。そのうえで、原因究明、セキュリティ体制の強化などを含め、「サービスの再開に尽力する」と発表。仮想通貨交換業者の登録申請を続け、「今後も事業を継続する」としている。
リリース全文は次の通り
「不正に送金された仮想通貨NEMの保有者に対する補償方針について」
コインチェック株式会社(代表取締役社長:和田晃一良、以下:当社)が運営する仮想通貨取引所サービス「Coincheck」において発生した仮想通貨NEMの不正送金に伴い、対象となる約26万人のNEMの保有者に対し、以下の通り、補償方針を決定いたしましたので、お知らせいたします。
1月26日に不正送金されたNEMの補償について
総額 : 5億2300万XEM
保有者数 : 約26万人
補償方法 : NEMの保有者全員に、日本円でコインチェックウォレットに返金いたします。
算出方法 : NEMの取扱高が国内外含め最も多いテックビューロ株式会社の運営する仮想通貨取引所ZaifのXEM/JPY (NEM/JPY)を参考にし、出来高の加重平均を使って価格を算出いたします。算出期間は、CoincheckにおけるNEMの売買停止時から本リリース時までの加重平均の価格で、JPYにて返金いたします。
算出期間 : 売買停止時(2018/01/26 12:09 日本時間)〜本リリース配信時(2018/01/27 23:00 日本時間)
補償金額 : 88.549円×保有数
補償時期等 : 補償時期や手続きの方法に関しましては、現在検討中です。なお、返金原資については自己資金より実施させていただきます。
今般の不正送金に伴い、一部サービスの停止などお客様、取引先、関係者の皆様にご迷惑をおかけしており、重ねてお詫び申し上げます。原因究明、セキュリティ体制の強化などを含めたサービスの再開に尽力するとともに、金融庁への仮想通貨交換業者の登録申請の継続的な取り組みも併せて、今後も事業を継続して参りますので、引き続き、宜しくお願い申し上げます。