チョコプラがコンビ名を「チョコレートサステナブル」に変更?長田庄平さんと考えた、チョコの裏にある児童労働

コンビ名を「チョコサス」に変えると冗談まじりに語った長田さん。社会課題を前に「難しい!」と14回も連発しながらも、向き合った。
ハフライブに出演したチョコレートプラネット 長田庄平さん
ハフライブに出演したチョコレートプラネット 長田庄平さん
Shu Maeda/Huffpost Japan

「コンビ名をチョコレートサステナブルに変更します」

お笑いコンビ「チョコレートプラネット」の長田庄平さんは冗談めかして、そう宣言した。

2月15日に出演した生配信番組「ハフライブ」に出演し、チョコレートの裏側にある社会課題やSDGsについて考えた結果だった。

SDGsとは、国連で採択された2030年までに達成を目指す17個の持続可能な開発目標のこと。実は、長田さんは、SDGsをテーマにしたコントを作った経験もある。

長田さんは、チョコレートの甘くない真実を知り、何を思ったのか。

「チョコレート」「プラネット」 コンビ名から考えるSDGsの課題

今やその姿を見ない日がないほど大人気のお笑い芸人チョコレートプラネット。

2月15日、ハフポスト日本版の生配信番組「ハフライブ」(チョコレートとSDGs)に長田庄平さんが出演。児童労働の撤廃と予防に取り組むNGO「ACE」代表の岩附由香(いわつき・ゆか)さんらとチョコレートの裏側にある“甘くない真実”について考えた。

番組の冒頭、話題はコンビ名の由来から始まる。

チョコレートプラネット 長田庄平さん
チョコレートプラネット 長田庄平さん
Shu Maeda/Huffpost Japan

「吉本の養成所時代、お互い好きなワードを出し合って、相方の松尾がチョコレート、僕がプラネットを出しました。略すと「チョコプラ」と、ちょっとポップになるかなと」

長田さんの願い通り、今や多くの人が親しみを込めて「チョコプラ」と呼ぶ。

深く考えずにつけたコンビ名だと語るが、その言葉を紐解くとSDGsと深く関わっているコンビ名だと分かる。

まずは、「チョコレート」。チョコレートの原料となるカカオは、「児童労働」の温床となっている。「児童労働」とは、子どもを学校に通わせずに働かせることで、子どもの可能性や尊厳を奪い、心身に悪影響を与える深刻な社会課題だ。そして、「プラネット」は、今まさに気候危機に直面している地球を含んでいる。

コンビ名に実は潜んでいた地球規模の社会課題。

長田さんのSDGsを学ぶ旅が始まった。

番組配信中の様子
番組配信中の様子
Shu Maeda/Huffpost Japan

初めて知った チョコレート裏側にある児童労働

日本はカカオの約8割をガーナから輸入している。そのガーナでは、77万人の児童が学校にも行けず、カカオ栽培に関わる。つまり、知らないうちに児童労働が関わるチョコレートを私たちも口にしている可能性があるのだ。

児童労働に関するデータ
児童労働に関するデータ
Huffpost Japan

カカオの栽培を行うガーナで児童労働をなくすための活動をする岩附さんは、現地の様子をこう語る。

「カカオ農家で働く親の大変さを見て、学校に行きたいということを言えない子どももいます。また、学校に行けるよと言われて別の地域からカカオ農家に連れてこられたけれど、実際には働かされている子どもがいるんです」

過酷な児童労働の問題を前に、何度も「難しい!」を連発し、頭を抱えた長田さん。「勉強したい子には、勉強出来る環境を与える。子どもたちが、選択出来る環境が必要だと思う」と話した。

さらに、岩附さんから安い労働力を求める社会経済システムによって、貧困に陥ったカカオ農家が労働力を子どもに頼らざるを得ない状況にあるとの説明があると、長田さんは、「難しい。特に消費者には、まずそこは見えない。でもこういう現状、システムを知ることが大事だ」と語った。

児童労働が起こるシステム
児童労働が起こるシステム
Huffpost Japan

チョコレートがつくられるまでに潜む「児童労働」という社会課題。

この問題をきっかけに話題は、チョコレートの「適正な価格は、いくらなのか」という疑問に移っていく。

裏側を知ったからこそ 気持ちよくチョコを食べたい

チョコレートの“甘くない真実”を知り、「気持ちよく生活したいのが一番にある。自分が食べているものの裏側に児童労働の問題があったらモヤモヤする」と素直な思いを話した長田さん。

一方で、児童労働のないチョコレートは、比較的価格が高いことに長田さんなりのジレンマも語り始める。

「生活に余裕があるからこそ、(高くても買う)選択ができるわけで、もし自分が全然売れていない芸人だったら、きっとなんでもいいと思ってしまう」

岩附さんは、長田さんの消費者目線のジレンマを理解した上で、価格だけではなく、生産農家にきちんとした対価が支払われているのかということへ意識を向けることが重要だと指摘する。

さらに「カカオ豆の価格は、先物取引でパソコンの前でポチポチとしている人が儲かって、汗水たらして働いている農家は全く儲からないという不思議な仕組みがある」とカカオ農家に直接通う岩附さんだからこそ感じているモヤモヤも語る。

チョコレートの「適正価格」をどう考えればいいのだろう?

「気持ちよくチョコを食べたい」という長田さんの願いは簡単なようで、実は社会全体で実現させようとするととても難しい。

それでも長田さんは「どこかで動いていかないと変わらないと思うので、小さい一歩でもいいから一歩ずつ変化させていかないとダメなのかなと思う」と話す。長田さんのように、できることからやっていくことが状況を“そろ〜りそろり”と良い方向に進めることになるのかもしれない。

コンビ名変更? その名も「チョコレートサステナブル」

番組の最後、本当に良いチョコレートを選ぶためにどうすればいいかフリップに書いてもらった。

少し考え、数秒で書き上げた長田さんは、冗談まじりに「チョコレートサステナブル」へコンビ名を変更することを宣言。

その理由を「プラネットをコンビ名に付けた自分がハフライブに出演して、完全に考えがサステナブルに変わったので、、、」と答えた。

「全部知ることは大変ですけど、ちょっと意識高く、自分のライフスタイルを変えていけば、おのずとワンランク上の視点で生活できるようになると思います。今は余裕がなかったとしても、ちょっとしたきっかけで、一個上の人間になれるのかなと。ネタを書くときもめちゃくちゃお洒落なカフェで書けば、めちゃくちゃお洒落なネタができるかもしれない」。お笑い芸人として、そして長田庄平として、無理なく自分を変えていく方法を語った。

「次、チョコレートをコンビ名に付けた松尾がハフライブに来たら、サステナブルサステナブルになりますね」と最後も笑いで締めた長田さん。

今後は、チョコプラが、お笑い芸人としてSDGsを楽しく発信していく姿が見られるかもしれない。

【番組アーカイブはこちら】

ハフポスト日本版の生配信番組 #ハフライブ

チョコプラ長田さんと考える「チョコレートとSDGs」

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