中国のネットで「#まだ結婚しない理由」というハッシュタグが盛り上がっている。「結婚して子どもをもうけるべき」という伝統的な考えと「自由に生きたい」といった若者たちの意見が真っ向から衝突している。
■「結婚しない」カップルが増加
結婚をめぐる議論が勃発したきっかけは、結婚したカップルの多さを示す指標が過去最低を更新したことだ。反面、離婚率は右肩上がりで上昇している。
チャイナ・デイリーなどの現地メディアは、経済発展に伴って生活コストが増大したことや、女性の社会進出が進み、結婚だけが人生の選択肢ではなくなったことなどを原因に挙げている。
■「催婚圧力」に苦しむ若者たち
この統計が報じられると、中国では「#まだ結婚しない理由」というハッシュタグで議論が始まった。
現地メディア新京報は結婚「賛成派」「反対派」それぞれの意見を紹介している。
「結婚すべき」という47歳の既婚男性は「結婚したくない、というのは現実逃避ではないか。身勝手と言ってもいい」と話す。
また2人の孫が名門大学に行ったという77歳女性は、「とても幸せです。結婚しないなんて、あなたはどこから生まれたの?と言いたい」と疑問を呈した。
一方「結婚しなくても良い」という24歳の独身男性は「婚姻届の紙っぺら一枚で人一人の感情を縛るなんて勝手だと思います」と反論。
22歳の女性は「両親に孫を抱かせてあげないとか、遺伝子を後世に残さないことを身勝手と呼ぶのでしょうか。中国人に今最も欠けているのは自分を大切にすることではないでしょうか」と持論を展開した。
こうした報道を受けてネット上では議論が過熱。ハッシュタグのついた投稿の閲覧数は2000万回を超えた。
中国では長期休暇で実家に帰るたびに、家族や親戚から「結婚はまだか」「恋人はできたのか」とプレッシャーをかけられる「催婚圧力」が若者の間で悩みの種となっている。
一方で結婚の条件には「家と車を所有していること」など経済的な条件をあげる女性(とその親)も多く、さらに結婚へのハードルを高くしている面もある。
ネットには「自分が食っていくのも大変なのに、妻と子供、その両親まで養うなんて無理に決まっている」「数千万でマンションを買って結婚するより、自分のために使ったほうがいい」など、悲痛な叫びが並んでいる。