地質学で約77万~12万6000年前の時代が「チバニアン」(千葉時代)と命名される見通しになった。産経ニュースなどが報じた。地質年代に初めて日本の地名が使われることとなる。
■投票でイタリアを破る
この年代をめぐっては、6月に日本とイタリアの2チームが、この年代の国際標準となる基準地の地層を国際地質科学連合にそれぞれ申請していた。
国立極地研究所や茨城大などの日本チームが、千葉県市原市の地層を基準地として、ラテン語で「千葉時代」を意味するチバニアンの年代名を提唱した。
一方、イタリアはイオニア海にちなんだ「イオニアン」の年代名を目指しており、イタリア半島南部の2カ所の地層を申請していた。
今回、国際学会の作業部会から投票の結果、イタリアの候補地を破り、市原市の地層を年代の境界が最もよく分かる「国際標準地」として、登録の答申をすることになった。日本チームからの情報として、NHKニュースが伝えた。
2018年にも見込まれる正式承認まで、さらに3段階の審査があるが、過去に作業部会の結論が覆ったのは例外的なケースだけ。産経ニュースは「事実上の決着」だと報じている。
■「チバニアン」ってどんな時代?
地質年代は、その年代の境界が最もよく分かる地層が世界の基準地として選ばれる。
たとえば、大型恐竜が繁栄していたジュラ紀(約2億130万〜約 1億4500万年前)は、フランス〜スイスに広がる「ジュラ山脈」でこの時代の地層が発達していることから名付けられた。
「更新世」と呼ばれる時代の前期と中期の境目で、地球の磁場のN極とS極が最後に逆転した重要な節目とされる。
イタリアの地層は磁場逆転の現象を示すデータが不十分だったのに対し、千葉県の地層は明瞭に確認できることが評価されたとみられている。
毎日新聞によるとこの時代は、氷河期と間氷期の繰り返しが顕著だった。世界にはネアンデルタール人や、すでに絶滅した大型哺乳類のマンモスやサーベルタイガーなどが生息していたという。