台風15号の影響で停電や家屋の損壊などの被害が出た千葉県で、応急処置のためのブルーシートを貼るなどの名目で、高額な料金を請求する業者がいるとの情報が地元の役場や警察に寄せられている。
千葉県警は「今の段階でお話できる内容はない」としつつ、情報の集約を始めている。
■養生テープで貼るだけで...
停電や断水などの被害が大きい南房総市には、市民から直接被害情報が寄せられた。市の秘書広報課によると、被害者の知人を名乗る人物からの電話で、屋根にブルーシートを養生テープで貼るだけで18万円を請求されたという内容だったという。
市ではこれを受けて行政無線や市民向けのメールで注意喚起を行っている。
南房総市の北側に位置する鴨川市も、注意を呼びかける文書を公式サイトに掲出した。
鴨川市によると、今のところ具体的な被害情報は確認されていないものの、市職員の所属する消防団や地元の知人などから、悪質な業者が市内に出没したという情報が寄せられている。
内容は南房総市のケースと似ていて、屋根が飛ばされるなどした家屋の住人に対して、高額な見積もりを出した上で、「先に手付金を払えば優先的にやります」などと呼びかけ、金を受け取った後に連絡が取れなくなる、というものだ。
鴨川市では、こうした情報が事実かどうかは確認できていないが、「見積書などで工事の内容や金額を確認してから契約しましょう」などと注意を呼びかけた。
市の担当者は「情報が間違っていても仕方がない。誰かの名誉を毀損するものではないと判断したほか、注意喚起を出さずに被害が出る方が問題だと考えました」と話している。
■警察にも被害情報
こうした情報を受けて、千葉県警も対応に当たっている。県警広報県民課はハフポスト日本版の取材に対し「被害情報は寄せられているが、これから集約するため、今の段階ではお話できる内容はない」と話している。