「女子生徒は必ずスカートをはかなければならない」とする校則の変更を3人の女子生徒が求めた裁判の判決が3月28日、アメリカ・ノースカロライナ州の連邦地裁であった。
マルコム・ハワード判事は訴えを認める判決を言い渡した。
ハワード判事は判決の中で、「スカート着用の義務化は、女子生徒に対し、男子生徒にはない重荷を課している。その理由は、ただ単にその人が女性であることだけだ」と指摘した。
その上で、女子生徒にスカート着用を義務付ける校則は、憲法に規定された「平等の保護」に違反すると判断した。
勉強も運動もしにくい。女子学生の訴え
女子生徒のスカート着用を義務付けていたのは、アメリカ・ノースカロライナ州の「チャーター・デイ・スクール」。5歳〜14歳までの学生が学ぶ公立学校だ。
同校では、男子生徒はズボンかショートパンツを着用できるが、女子生徒は膝丈かそれより長いスカートを着用しなければいけない。守らなければ罰則が科されるか、退学になる場合もある。
女子生徒もスカートかパンツか選べるようにして欲しいと、同校に通っていた3人の女子学生とその保護者が2016年に学校を訴える裁判を起こした。
原告の女子学生の一人、キーリー・バークさんは、スカートを強制されることで生じる制約についてこう綴る。
「スカートは、冬は寒いし夏はショートパンツより着心地が良くありません。私は屋外で活動すること、特にサッカーと体操が好きです。休憩時間に外に出る時、男の子たちはサッカーをしたり、バク転や側転をしています。だけど私はスカートを履いているので、やりづらいのです」
屋外で体を動かす時だけではなく、授業を受けているときもスカートは落ち着かないという。足の位置に気を使わなければならず、気が散って勉強に集中できない、とバークさんは訴える。
床に座っていたときに、スカートを履いているんだから男の子のようにあぐらをかいてはいけない、足を横に曲げて座るようにと言われたこともある。
「私のクラスメートの中には、スカートをはきたい人もいます。それは、学校ではなくその人の決定であるべきだと思います。私たちには選択肢があるべきです」
校則が「男女が平等ではない」というメッセージを送っている
スカート着用を求める理由を、チャーター・デイ・スクールは「伝統的な価値観」や「男女がお互いに敬意を払うため」と説明する。
しかし裁判所は、学校側がそれを裏付ける証拠を提出しておらず、女性は職場やその他の場所で何十年もズボンを履いて生活しているとして、主張を退けた。
アメリカ自由人権協会「女性の権利プロジェクト」のガレン・シャーウィン弁護士は、こういった校則は「男女が平等でない」という間違った考え方を植え付けると指摘する。
「スカートをはきたいと思う女の子たちはたくさんいます。しかし、時代遅れの固定観念で、スカートを履くことを強制されるべきではありません」
「すべての女の子にスカートを履かせるということは、女性は男性よりも活動的でないという誤った考えや、より女性らしい振る舞いをしなければいけないといった考えを強めてしまいます」
原告の一人、13歳のエリカ・ブースさんは、今回の判決を友達も喜んでくれているとハフポストUS版に語った。
「これまで8年間、この校則に耐えてきました。なくなることになって、とても嬉しい」
「今回の判決は、女の子たちに大きな力をくれました」