アメリカの名門、スタンフォード大学のスター水泳選手であったブロック・ターナーから性的暴行を受けた女性が、実名を公表、回想録の出版を発表した。
裁判中「エミリー・ドゥ」という仮名で知られていた被害者の実名は、シャネル・ミラーさん。今月9月に、彼女は『Know My Name』(私の名前を知って)という回想録を出版する。著書では、自身のアイデンティティを取り戻し、彼女の受けたトラウマや超越、そして言葉の力についてのストーリーが語られている。
当時スタンフォード大の学生であったターナーは、2015年にパーティ会場の外でミラーさんを性的暴行したとして2016年に有罪判決を受けた。この事件は世界中で重大ニュースとして報じられたが、裁判の末、最長14年の禁錮刑の可能性があった中、判事が禁錮6カ月という軽い量刑を下したことで、更に世界に衝撃を与えた。
判事は、長期の量刑はターナーに「深刻な影響を与える」とし、結局3カ月から6カ月の禁錮刑という軽い量刑を言い渡すにとどまった。
ターナーの判決公判で被害にあったミラーさんが読み上げた証言は拡散され、アメリカの連邦議会をはじめ、世界からの注目を集めた。ミラーさんの力強い証言とターナーへの寛大な判決は、レイプ文化や白人男性の特権についての新たな議論を生み出し、カリフォルニア州は性的暴行事件での判決基準を厳重化した。2018年には、ターナーへ寛大な判決を下した判事が投票により更迭された。
9月22日には、米CBSのテレビ番組『60 Minutes』でミラーさんのインタビューが放送される。それを前にミラーさんが法廷で読んだ証言を再読している映像がSNSで公開された。
出版社の著者紹介文によると、ミラーさんはカリフォルニア大学サンタバーバラ校を卒業し、現在サンフランシスコに住んで、ライター・アーティストとして活躍している。
ハフポストUS版の記事を翻訳、編集しました。