097 | カモミール博士が実践する、良い香りのある暮らし。

「カラダにいいこと」の敵の多いこの季節。良い香りのするハーブティーでお馴染みの「カモミール」が、救世主となってくれることを知っていましたか?

外に出れば吐く息は白く、顔や耳、手先などは感覚がなくなるほどに冷たくなり、逃げ込んだ部屋のなかでは暖房が乾燥に追い打ちをかけ、肌はカサカサ、喉はイガイガ。そんな「カラダにいいこと」の敵の多いこの季節。良い香りのするハーブティーでお馴染みの「カモミール」が、救世主となってくれることを知っていましたか?

今回は、北アルプスの山々に囲まれた緑豊かな高原の地、長野県北安曇郡池田町にある『カミツレの里』代表の北條裕子さんに、「カモミール」について教えていただきます。

――カモミールは、どんなところが「カラダにいいこと」なのでしょうか。

「カモミールは、1982年まで日本薬局第10改正に「カミツレ花」という名前で医薬品として記載されていて、薬として活用されていたんです。ヨーロッパでも「ハーブの女王」や「植物のお医者さん」と呼ばれて、子供の風邪対策に使われるなど古くから幅広く親しまれてきました。カモミールの香りには、心身をリラックスさせ、ストレスからくる様々な症状を鎮静させる作用があると言われているんです。さらに、カモミールには、抗炎症・抗アレルギー作用に優れた成分や消炎・鎮静作用に優れた成分、さらに、ポリフェノールの一種であるフラボノイド成分も多く含まれているんです。」

――カモミールといえば「カモミールティー」が有名ですが、どのように暮らしに取り入れていったら良いでしょうか。

「可憐な姿をしたカモミールですが、実は『逆境に負けない』という花言葉を持っているほどのすごく力強い植物なんです。苗を手に入れて、ご自宅で育ててみればその良い香りに癒されますし、フレッシュなハーブティーを楽しむこともできますね。あとは、入浴剤などで取り入れるのがおすすめです。『カミツレ研究所』で長年愛されている入浴剤は、国内で農薬を使わず育てられたカモミールのエキスだけでできている入浴剤です。寒い今の季節なんかは特に、寒さで体も縮こまってしまっているはずですから、暖かいお風呂にカモミールの入浴剤を入れて、心と体をほぐしてあげると良いでしょう。」

――カモミールのプロフェッショナルの北條さんならではの、カモミールの意外な活用法をもっと聞かせてください。

「リラックス効果の高いカモミールの香りをいつで近くにおいておきたくて、私は入浴剤をハンカチにしみ込ませて持ち歩いたり、疲れて帰って来たらまずは蓋をあけて香りを嗅いだりして活用しています。意外と思われるかもしれませんが、カモミールは食べても美味しいんですよ。天ぷらにするのがおすすめです。」

香りに癒され、体を温め、潤してくれるカモミール。紅茶にするだけではもったいない。古くから愛されるハーブの力を、暮らしのなかに取り入れてみましょう。

文章/平井莉生

北條裕子

●きたじょう・ひろこ

国産カモミールを使ったスキンケアブランド「華密恋」を製造・販売している〈カミツレ研究所〉代表。長野県池田町にある「カミツレの里」内の八寿恵荘(宿泊施設)は、2015年5月中旬頃大幅リニューアル予定。

詳細は随時ホームページにて。

(長野県北安曇郡池田町広津4098 TEL:0261・62・9119)

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(「からだにいい100のこと。」より転載)