10月1日に消費税が8%から10%に引き上げられた。だが、悲嘆にくれている場合ではない。景気対策として、国が補助金を出すキャッシュレス還元事業が、9カ月限定でスタートしたからだ。
第一生命研究所の試算によると、消費増税の家計への平均負担額は年4万5000円とみられている。
一方で、今回の9カ月間のキャッシュレス還元の恩恵は、総世帯平均で2000円程度と見込まれる。日常的にクレジットカードを使う世帯では、5000円程度になるという。
キャッシュレス還元をうまく利用して、少しでも家計への負担を減らすのが得策だ。
■スマホ決済だけではなく、クレジットカードも利用可
キャッシュレス還元の正式名称は「キャッシュレス・消費者還元事業」。2019年10月1日から6月30日まで実施される。
中小規模の店舗で商品・サービスを購入する際に、クレジットカードや電子マネー、スマホ決済などのキャッシュレスで支払うと、5%のポイント還元が受けられるというものだ。百貨店や家電量販店などの大企業の店舗は対象外となる。対象店舗はネット上で公開されており、マップで探すことができる。
加盟店には「CASHLESS」と書かれた赤いロゴマークが入りのポスターなどが掲示される見込みだ。
さらにコンビニ、外食、ガソリンスタンドなどの大手系列のフランチャイズチェーン店でも2%の還元がある。そのためコンビニで食品を持ち帰りで買った場合には、軽減税率によって消費税は8%のままで、ポイント還元がつくため増税前よりも安くなるケースもある。
あまり知られてないが、ネット通販大手でもキャッシュレス還元を受けられる。たとえば、Amazon.co.jpでは、中小規模の店舗が出品しているマーケットプレイスが対象となる。該当商品には「5%還元」と表示されるという。楽天市場とYahoo!ショッピングでも、同様に5%還元を実施しているストアを案内している。
また各事業者で独自のポイント還元をしている場合は、国のキャッシュレス還元に上乗せされるのでよく確かめてみよう。
たとえばスマホ決済サービス「PayPay」では10月1日から11月30日まで期間限定で、で「まちかどPayPay」と呼ばれるキャンペーンを実施する。1カ月あたりの還元上限は2万5000円、1回あたりの還元上限は1000円だ、金融機関の口座からのチャージやヤフーカード経由のPayPay決済で5%が還元される。国のキャッシュレス還元の加盟店であれば、合計で10%の還元になる見込みだ。
■還元事業に参加している主なキャッシュレス決済
ポイント還元事業に参加している主要なキャッシュレス決済サービスは、以下の通り。