香港の林鄭月娥・行政長官は9月4日、自らの公式フェイスブックページを更新し、逃亡犯条例の改正案を正式に撤回することなどを発表した。
同時に市民との対話を進めていく姿勢を強調し、「対話があって初めて変化がある」と呼びかけた。デモ隊らが「5つの要求」として求めていた「逮捕者の釈放と刑事訴追の中止」などについては拒否する意向を示した。
■対話呼びかけ
林鄭月娥・行政長官は9月4日の午後7時ごろ、自身の公式フェイスブックページを更新。逃亡犯条例の改正案を正式に撤回すると発表した。
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フェイスブックでは、およそ7分40秒の動画で、デモが始まった以降の香港について「多くの市民や警察官、それにメディア関係者が怪我をした。家族や友人が意見の違いのために互いに反目した」とした。
また、デモ隊らが要求していた、独立した調査委員会を設けて警察の鎮圧活動を検証することに対しては拒否した。このほか、デモで逮捕された人の釈放や刑事訴追の中止についても受け入れない意向を示した。
民主主義選挙の実現については「平和で信頼関係のある雰囲気のもとで話し合われなければ、社会の亀裂を深めるだけだ」とした。
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動画の最後では、市民への呼びかけとして「暴力が法治社会の根幹を揺るがし、ごく少数の人が一国二制度に挑戦した。国旗や国章を汚損し、香港を危険な境地へ追いやった。暴力はいかなる問題も解決しない」と話した。
そして、改正案撤回のほかに、監察組織に国際的な専門家などを加えること、市民との対話を進めていくことなどを掲げ「香港の目の前にある困難を打ち破ることを希望します」と綴った。