4月4日の早朝、カルロス・ゴーン被告が会社法違反(特別背任)の容疑で再逮捕された。保釈中にもかかわらず4度目となる逮捕に、国内外から大きな注目が集まっている。特に海外からは、日本の司法制度への批判的な意見が高まっている。
多くの海外メディアがゴーン被告の再逮捕を報じ、弁護士による記者会見の内容や、日本の司法制度への疑問や批判を語った。
アメリカのTV局Foxはスタジオでゴーン被告の扱いについて議論し、New York Timesは逮捕時の様子を詳細を報じた。
「日本ではいったい何が起こっているのか?」
TV局Foxの経済ニュース番組ではスタジオで記者らが議論を繰り広げ、強く日本の司法制度を否定した。
1人の記者は、「日本で仕事をする外国人ビジネスリーダーは今回の事件や検察の扱いに憤慨しているだろう...これは司法の問題だけでなく、文化の問題でもある。ゴーンや彼の妻は、『ガイジン』だから標的にされた」と日本語で『ガイジン』と強調しながら語った。
司会者は「この扱いは『野蛮』だ」と繰り返し、その後「関係者から首相官邸と検察で意見の摩擦が起こっていると聞いた」と話し「首相は、再逮捕は日本の体裁が傷付くので避けたかったが、検察はゴーン被告に罪を認めさせたかったから再逮捕に踏み切ったと聞いた」と語った。
そして最後にカメラに向かい、強い口調で「検察からの答えを求めます。What is going on in Japan?(いったい日本で何が起きているの?) 私たちは追求します」と締めくくった。
「私はテロリストかのように扱われた」
一方、New York Timesは、ゴーン被告の妻キャロルさんへのインタビューから、逮捕時の様子を細かく報道。
「検察官は、キャロルさんの携帯、パスポート、日記などを押収した。女性検察官は、彼女をバスルームまで付いて行き、彼女がシャワーから出るとタオルを渡した」
「検察官から日本語の書類を渡され、サインするよう促されたキャロルさんは『日本語が読めないから訳してほしい。弁護士と話したい』と伝えた。さらに『あなたたちはこんな事をする権利はない』と訴えたが、検察は『ここは日本です』と言った」
「ゴーン夫妻は、家の調査の間、保釈の条件であった家の中の監視カメラを切るように言われた。結局カメラに紙を被せ、取り調べの様子が録画されないようにした」
また、検察によるゴーン被告の扱いは「一見丁寧な日本の司法制度への批判を招いた。それにも関わらず、検察は日本でも稀な保釈中の再逮捕に踏み切った」とも報じた。
キャロルさんは夫の再逮捕時に、「私はテロリストかのように扱われた」と話したという。
【訂正:2019/04/06/11:30】
文中のNew York Timesの翻訳について、一部誤りがありました。
「『あなたにその権利はない。ここは日本だ』と言われた」の部分は、正しくは「『あなたたちはこんな事をする権利はない』と訴えたが、検察は『ここは日本です』と言った」でした。
上記を訂正いたしました。