71周年を迎えたカンヌ映画祭。今年もゲッティイメージズのチームが現場の様子を様々な角度から伝えます。ゲッティイメージズのフォトグラファーは、現場のあらゆる側面を取材していて、1946年の初回からの写真を数多く所蔵しています。
今年は50万枚以上の写真を撮影。レッドカーペットだけでなく、裏側の様子も伝えます。これに加えて世界の大スターのポートレート写真400枚と400分以上の動画も撮影されます。フォトグラファー、ビデオグラファー、編集者と技術者を合わせた80名のチームが15,000時間かけて活動します。ゲッティイメージズの活動としても大規模なイベントの一つです。ゲッティイメージズ、エンタテインメント担当シニアディレクター、リサ・マリー・レイのコメントで過去~現在まで、カンヌで活躍した女性たちを振り返ります。
Jane Campion:ジェーン・カンピオン
ジェーン・カンピオンはパルム・ドールを受賞した唯一の女性映画監督です。1993年の「ピアノ・レッスン」で受賞しました。その後も数多くの作品の監督・プロデューサーをつとめていて、映画界の女性のリーダーとして活躍しています。
Agnes Varda アニエス・ヴァルダ
フランスの映画監督アニエス・ヴァルダは2015年にオノラリーパルム・ドールを受賞(過去の活躍に対する表彰)しました。女性監督の先駆者として、時には女性を主役として活用することで女性ならではの声を発信しています。彼女が残した「私のやり方で。男性と同じようにではなく」という言葉は、作品を作るうえで彼女がとても大切にしていた考え方を表しています。
Dolores Del Rio ドロレス・デル・リオ
(1957年撮影。フランスの詩人、ジャン・コクトーと)
メキシコの女優、ドロレス・デル・リオ。初めて女性の審査員としてカンヌに参加しました。色々な意味で映画界では先駆者として活躍しており、40年代と50年代のメキシコの映画界ではとても重要な人物として認識されています。ラテン系の女優としてハリウッドにも進出した初めてのメキシコ出身の女優でもあります。
Emily Blunt エミリー・ブラント
レッドカーペットで堂々と女性差別についてコメントしたことで知られています。2015年のカンヌ映画祭では女性がハイヒールを履くべきだという固定観念に抵抗し、女性も男性と同じように扱われるべきだと主張し、大きな話題を呼びました。
Olivia de Havilland オリビア・デ・ハヴィランド
「風と共に去りぬ」や「ロビンフッドの冒険」などに出演したオリビア・デ・ハヴィランド。カンヌ映画祭初の女性プレジデントを担いました。映画のスクリーンの枠を超えて活躍することを実現し、当時の若い女優へのインスピレーションにもなっています。
Jaclyn Jose ジャクリン・ホセ
2016年に主演女優賞を取得したフィリピン出身の女優。東南アジア出身の女優として初めての快挙を成し遂げました。ある意味、カンヌ映画祭自体がまだ様々な文化や国を網羅できていないことが感じられます。
Salma Hayek サルマ・ハエック
サルマ・ハエックは、女優、監督、プロデューサーとして活躍しながら、女性に対する暴力や移民者差別などの社会問題にも関わっています。2014年にはナイジェリアの女学生拉致問題について抗議したことで世界的にも注目を集めました。
Kirsten Dunst キルスティン・ダンスト
キルスティン・ダンストは、2011年に重度のうつ病患者を演じた「メランコリア」で主演女優賞を受賞し、5年後の2016年には初めて審査員として参加しました。20年以上続いているキャリアで、女優としての裁量を発揮しています。最近では2シリーズ目の「ファーゴ」でペギー・ブロムキスト役で高い評価を受けたのが印象的です。
Jessica Chastain ジェシカ・チャステイン
ジェシカ・チャステインは、2017年に審査員をつとめました。女優としては有名だが、プロデューサーとしても活躍していて、映画業界のダイバーシティを目指した製作会社を経営しています。性差別・人種差別や精神障害の活動にも積極的に参加し、2012年にはタイム誌の「もっとも影響力のある人100人」に選ばれています。
Naomi Kawase 河瀨直美
日本で最も有名な女性映画監督は1995年に「萌の朱雀」でラ・カメラ・ドールの最年少受賞者となった河瀨直美ではないでしょうか。それ以来、カンヌには常連として参加していて、2007年には「もがりの杜殯の森」でグランプリを受賞しました。
2011年には「塵」がカンヌで初上映し、2013年には審査員として参加。2014年の「2つ目の窓」はパルム・ドールの候補に挙がり、2015年には「あん」が上映されています。2016年4月にはショートフィルム部門の審査員長にも任命されました。
ドキュメンタリータッチで少数派を描写することで知られており、日本の男性優勢社会で女性の社会的地位を築き上げる活動に貢献しています。
Ava DuVernay エイヴァ・デュヴァーネイ
アメリカの映画監督、プロデューサー、脚本家、映画配信家で、2018年の審査員の一人です。初の黒人映画監督としてゴールデン・グローブ賞、そしてオスカー賞の最優秀作品賞として「セルマ」がノミネートされました。ARRAYという映画コレクションを通して、有色人種者と女性の作品に焦点を当てる活動をしています。ゲッティイメージズはARRAYとパートナー提携し、4つの奨学金制度を設立しています。
Cate Blanchett ケイト・ブランシェット
女優としても映画や舞台プロデューサーとしても名高いケイト・ブランシェット。2018年のカンヌ映画祭審査員長をつとめる。オスカーを2回、ゴールデン・グローブ賞を3回受賞しており、文化への貢献は世界中で称賛されています。またUNHCRのアンバサダーの訳も担っているのも有名な話ですね。