口腔がんとは、どのような病気なのか。
■昭和の名大関や、甘利明・元経済再生相も
東京都杉並区医師会によると、口腔がんとは、口の中(口腔)にできる癌の総称。日本では年間に男性で5000人、女性で2000人が口腔がんにかかるといわれている。
口腔がんの約半数は舌にできる「舌がん」だが、頬の粘膜、歯肉、口底、口蓋などにも発症するという。
堀さんは診断の結果を舌がんと報告している。
甘利明・元経済再生相も2013年、舌がんにかかったことを明らかにしていた。元貴乃花親方の父で、昭和の名大関「貴ノ花」として人気を誇った元二子山親方も2005年に口腔がんの一種の「口腔底がん」で亡くなっている。
■なかなか治らない口内炎の場合も注意が必要
徳島大学病院・がん診療連携センターによると、口腔がんの発生率は、体にできるがんのうち1%から3%と少ないが、以前に比べると男女ともに増加している。
一般的に初期のがんでは痛みや出血などはなく、硬いしこりが触れるのみの場合が多い。「なかなか治らない口内炎の場合も注意が必要」と「がん研究会有明病」と訴えている。
堀さんの場合も、最初は「舌の裏側に小さい口内炎」ができたのが始まりと振り返っている。
■「口腔がん」を疑うポイントは?
徳島大学病院・がん診療連携センターでは「口腔がんは、直接肉眼で観察でき、手指で触診できるのが大きな特徴」とした上で、口腔がんを疑う10のポイントを以下のように列挙。セルフチェックを促している。
・口の中に硬い「しこり」がある
・口の中に出血しやすい場所がある
・3週間以上治らない口内炎や潰瘍、または抜歯後の傷の治りが悪い
・口の中に痛みがある
・口の中や唇にしびれがある
・口の中が腫れて、入れ歯が合わなくなった
・口の中に白い部分または赤い部分がある
・口臭があると言われた
・原因不明の歯のぐらつきがある
・首のリンパ節の腫れが3週間以上続いている
上記の症状に当てはまる場合、かかりつけの歯科医院、耳鼻咽喉科や歯科口腔外科などの専門病院への受診を同センターでは勧めている。