日本人における死亡原因、第1位である「がん」。一人でも多くの人を「がん」から救うべく、「がん」発見・治療の関連事業を立ち上げる企業も。今回はそういった企業の求人に注目した。
「がん」の発見・治療に新たな選択肢
もし、この世界から「がん」を無くすことができたなら、年間800万もの人々の命を救えることになる(*1)。スタートアップ、大企業を問わず、人類の課題ともいえる「がん」に挑む事業・関連求人に注目した。
特に近年、AIなどを用いた治療・検査・診断技術の開発が活発に。異業界の企業からの参入も相次いでいる。
たとえば、次世代の治療法とも目される「がん免疫療法」。患者自身の免疫細胞を用いて治療を行ない、副作用が少ないという特徴を持つ。市場規模としても2025年には5兆円まで広がるとの予測もある(2017年はおよそ1兆円 *2)。
2019年5月には、NECが参入を発表。自社AI技術『NEC the WISE』を用いて、患者それぞれにより有効性の高いワクチンの開発を行なっていく計画だ。
もう一つ検査・診断において、GoogleがCTスキャン画像から肺がんの兆候を診断するAIを開発したり、DeNAがAIスタートアップの「Preferred Networks(プリファード・ネットワークス)」とAIによるがん検査システムの研究開発を行なったりと、IT大手が積極的な動きを見せる。
今後、技術の進歩とともにさらなる広がりも期待できそうだ。
「がん」に挑む、注目企業の求人は?
それでは今、どういった企業が募集を行なっているのか。その一例を紹介していこう。
※2019年7月時点に公開されていた求人となります。
■内視鏡「画像診断AI」の開発ベンチャー
「CFO」「海外事業」「事業開発」など複数のポジションで採用を行なっていた。
東大病院などの研究機関と「がん」の共同研究を行なうなど、高い研究・開発力は評価されていると言えそうだ。さらに、今後の方針として海外展開を掲げており、世界を視野に事業を行ないたい人にとっても注目の企業と言えそうだ。
■がん遺伝子解析ベンチャー【キャノングループ】
営業職を募集していた。業務内容として記載されていたのが、「がんゲノム診断ビジネスにおける医療機関向けの顧客の開拓および販売 ・マーケティング活動」。スタートアップメンバーとして、ビジネスの仕組みづくりから関わっていける環境もあるようだ。
また、最新鋭の遺伝子解析機器を導入し、国内に遺伝子解析ラボを設立するなど、大手グループの資本力は一つ強みだと言えそうだ。
■予防医療×マーケティング【キャンサースキャン】
自治体とタッグを組み、「がん」検診などの受診率向上を目的としたマーケティング戦略の策定・実行を行なう。社内にはAI、ビッグデータ解析などの研究チームを備え、高度な戦略企画を可能としている。すでに連携する自治体の数は250を超えたという(2018年10月時点 *3)。
「マーケティング」「新規事業」「データサイエンティスト」など複数の職種で募集が見受けられた。