カナダ政府は6月20日、「有害な使い捨てプラスチック製品」の製造と輸入を2022年12月までに禁止すると発表した。
規制されるのは「レジ袋」「スプーンやフォーク、ナイフなどのカトラリー類」「食品容器」「リングキャリア(缶入りの飲み物などをまとめる製品)」「マドラー」「ストロー(一部例外あり)」の6種類だ。
プラスチックゴミから環境を守るための総合計画だという。
製造と輸入だけではなく、2023年12月までには、これら使い捨てプラスチック製品の販売、そして2025年末には輸出も禁止される。
スティーブン・ギルボー環境相は、今回の決定について「私たちは使い捨てプラスチック製品を禁止すると約束した。今日その言葉を実行する」とコメントしている。
「年末までに、これらの有害なプラスチック製品の製造や輸入ができなくなります。そしてその後、企業は紙ストローや再使用可能な袋など、持続可能な解決法をカナダの皆さんに提供します」
「新たな規制により、プラスチックゴミを削減し、コミュニティや大切な場所を美しく保つための歴史的な一歩を踏み出します」
ジャン-イブ・デュクロ保健大臣は、健康面でのメリットを強調している。
「外気や食品、飲料水からプラスチック汚染が見つかっています。我々はこの問題に対処して、すべてのカナダ人の健康を改善します。新規制は、カナダにとってターニングポイントです。私たちは断固たる行動で環境を守り、国中によりきれいで健康的なコミュニティを作ります」
ジャスティン・トルドー首相も、SNSで規制を歓迎した。
トルドー首相のツイート:この禁止により、今後10年で推定130万トンのプラスチックごみと2万2000トン以上のプラスチック汚染を削減できます。これは満杯のゴミ袋100万個分に相当します。
まだまだ「不十分」なプラスチックごみの規制
カナダ政府によると、同国ではレジ袋が1年に15億枚、ストローが1日に1600万本使われている。これらの廃棄物は、カナダの海岸で見つかるプラスチックごみの大半を占めるという。
プラスチック廃棄物の対策は、世界的にも不十分だとされていて、OECDが2022年2月に発表した「グローバル・アウトルック・プラスチック」報告書は、「120カ国以上で、全体的な汚染削減のための使い捨てプラスチック製品の禁止や課税が足りていない」と指摘している。
報告書によると、プラスチック製品の消費は過去30年で4倍に増加。その一方で、プラスチックごみのリサイクル率は9%にとどまっている。
また、2019年には610万トンのプラスチックごみが、水域環境に流れ出した。
さらに、プラスチック製品の使用は、新型コロナウイルスの影響で2020年に2.2%下がった一方で、テイクアウト用の食品容器やマスクなどで、ごみのポイ捨ては増えた。そして2021年に経済活動が再開するとプラスチック製品の使用量は元に戻ったという。
報告書は「プラスチック製品による汚染を削減するためには、行動と国際的な協力が求められます。それにはイノベーションや、より良い製品設計、環境にやさしい代替手段の開発、廃棄物管理やリサイクルの増加などの努力が含まれます」と訴えている。
ハフポストUS版の記事を翻訳・編集しました。