カナダの難民政策は国民参加で
カナダの難民受け入れ政策は独特と言われますが、その特徴は「国民参加」です。基本として、難民が必要とするサービス・支援の提供は政府・民間、それぞれに分かれていますが、実情は政府・個人のパートナーシップです。
まず亡命希望者は、移民・市民権・難民省に国外または国内から申請します。(海外で申請する場合がほとんどですが、アメリカの大統領選挙以来、北部の州から国境を越えての難民申請が急増しているという国内申請の例もあります。)海外申請の場合は直接に移民省ではなく、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)・その他の紹介する機関・カナダの個人スポンサーのいずれかを通して申請します。
UNHCR経由の場合はUNHCRの申請完了後、カナダを含めた受け入れ国にそれぞれの国の年度定数に合わせて推進します。カナダが2015・2016年に受け入れた2万5000人のシリア難民の多くはこれに当てはまります。
審査が完了して申請が承認された場合は永住権が与えられます。その後、定住支援の責任が政府以外の場合は民間提供となります。
多様な民間スポンサーと間接的な公的支援
民間スポンサーのクラスは
①認定団体(NGO・教会・民族団体など)
②コミュニティー組織(現地のさまざまな協会や企業)
③グループ・オブ・ファイブ(カナダ国籍もしくは永住権を持っている個人5人で組む)
の3つです。
基本として、スポンサーが1年間の生活費(家賃・食料品・教育など)を負担するほか、定住に必要な支援全てを提供します。例えば、部屋探しや学校・病院・銀行とのやり取り、そして言語(英語又はフランス語)教育などの知識・手続きなどを行う責任があります。
どのクラスのスポンサーでも一人の難民に関する支援計画を移民省に出さなければなりません。言い換えれば、政府が民間のスポンサーに「アウトソーシング」をして間接的に支援を提供します。
カナダの難民受け入れ政策はユニークです。そして、現地で国民によるサポートを受けることで難民の社会への溶け込みが速いと思われます。ただし、1年の支援を最近卒業したシリア難民の現状を見ると、2年、場合によって3年の負担が必要ではないかとの声もあげられています。
(文/P.K.ドノバン/北朝鮮難民救援基金NEWS Sep 2017 № 106より転載)
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開会日時:平成29年12月16日(土)13:00〜18:00
場所:学習院大学(JR目白駅下車徒歩3分)西2号館-302
入場料:無料です
問合せ先:北朝鮮難民救援基金(nkkikin@hotmail.com)または電話/ファックス:03-3815-8127(映画祭係)まで
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