アメリカ・カリフォルニア州は、2022-23年度から公立の小学校と中学校、高校で、昼食と朝食を無料提供する。
これまでニューヨークやボストンなど、無料で給食を提供する市はあったものの、州単位での実施は初めてだ。
食事は学ぶために欠かせない
これは「ユニバーサル・ミール・プログラム」と呼ばれる新しい取り組みで、無料で食事が提供される生徒の数は600万人以上。
このプログラムは、2021年に民主党と共和党の双方の議員から圧倒的な支持を得て可決された法案130号の一環で、州の大幅な財政黒字で可能になった。
法案提出に関わった民主党のナンシー・スキナー州上院議員は、無料給食は「学ぶために欠かせない」とカリフォルニアの教育NPOエドソースに話している。
「カリフォルニアの多くの子どもたちが、十分に食事を取れていません。お腹が空いていれば、十分に学ぶことができません」「学校の目的は学ぶことです。子どもたちが豊かに育ち、学ぶ環境を作るため、私たちは全力を尽くす必要があります」
法案を支持した共和党のブライアン・ダーレ州上院議員は、カフェテリアスタッフの目を盗んで食べ物を取る子どもを見たことがある、とAP通信に話している。
「そういった子の多くにとって、それは夕食なのです。彼らはこっそり盗んだり、食べ終わっていない子の皿から奪ったりしていました」
インフレや生活費の高騰で、特に低所得家庭の生活が困窮する中、このプログラムのおかげで、保護者の収入に関係なくすべての子どもたちが学校で空腹を抱えなくてすむようになる。
ウェストコントラコスタ統一学区の副管理者トニー・ウォールド氏も、学校給食は無料で提供すべきだ、AP通信に語っている。
「教科書やコンピューターと同じように、子どもたちに与えなければいけないものがあり、食事はその一つです」
ハフポストUS版の記事を翻訳・加筆しました。