文具メーカー・ゼブラは3月18日、カラー筆ペンの新商品「マイルドライナーブラッシュ」を発売する。15色展開で、1本で筆タイプと極細の丸いペン先が使える両用タイプだ。ゼブラ広報室・鈴木由佳さんによると、ターゲットは「手帳を楽しんで書く10〜30代の女性」だという。
近年、多数のメーカーがカラー筆ペンを相次いで発売。背景には、「Bullet journal(バレットジャーナル)」や「ライフログ手帳」などと呼ばれるトレンドがある。世界中の若い世代の女性たちの間で流行している、イラストや文字にこだわって「自分だけの」手帳や日記を作るというものだ。
「バレットジャーナル」は、アメリカのニューヨーク在住のライダー・キャロル氏が考案した手帳術。日々の予定やタスク、考えていることなどを箇条書きにし、記号を使って管理していくというもの。仕事だけではなく、趣味や家事などプライベートなタスクも全て書き出すことがポイントだ。全てを書き出すことによって、今やるべきことが明確になり、確実に実行できるようになるという。この手帳術が話題となり、2017年頃から世界的なブームへと広がっていった。そのため、今回の新商品の前身である「マイルドライナー」も、実際は海外でのほうがより売れ行き好調だという。
新商品は、「バレットジャーナルを書くこと」によりフォーカスした仕様。手帳に馴染みやすい控えめでかわいい色合いを揃え、字を書くのに適した筆先となっている。
そこで、イマドキ女子たちの「バレットジャーナル」事情をもっと探ってみた!
Instagramで「#bulletjournal」で検索すると 、投稿数は343万件以上にのぼる。
驚くのは、そのこだわりだ。文字やイラスト、マスキングテープ、雑誌の切り抜きなどでデコレーションされたページを撮影した投稿が、ずらりと並ぶ。「作品」の完成度の高さに女性たちの本気度が伝わってくる。
もともとはその手帳術で人気に火がついたバレットジャーナルだが、いまや女性たちの関心は「いかにかわいく美しく”描くか”」の方にシフトしてきているよう。Instagramの投稿でも、バレットジャーナルのメソッド通りに書いている人はそこまで多くないように見える。
予定やTo-Doリスト、日記などを中心に、ファッションや食物、育児、ダイエット、好きなアイドルなど、みな日常で記録したいあらゆることを1冊のノートに記録している。
アナログの魅力が再発見されている
SNSを駆使しながらも「超アナログ」なバレットジャーナルが人気とはやや不思議にも思えるが、投稿からは「私らしさを表現すること」、そして「見せる」ことへの女性たちのこだわりが見える。
「私だけの」手帳をオシャレにかわいく「作って、撮影して、SNSに投稿する」のが、イマドキなのだ。
また、バレットジャーナルの「デジタルにはない便利さ」も魅力の一つだ。
予定、To-Doリスト、体重の変化、支出…ありとあらゆる記録を一括して管理するためのアプリはあまりなく、スマホ画面にアプリが散乱しがちだ。だからこそ、すべての機能を1冊にまとめられるバレットジャーナルが受け入れられているようだ。
実際にブログなどでは、バレットジャーナルを書いている人から、「何でもかんでもこれ一冊で事足りる」「ブログネタ収集も勉強計画も家事ログも全部これ一冊」などの声が上がっている。
「これまでだと、仕事用やプライベート用など手帳やスケジュールアプリを分けている人が多かったのですが、バレットジャーナルの登場で1冊のノートで管理する人が増えているようです」とゼブラの鈴木さんは話す。
今後、日本でバレットジャーナルの人気はさらに広がっていくのだろうか。注目だ。