「悪魔は最終的に死ぬ」。死亡した父親を、息子が新聞紙面で酷評し賛否両論

手厳しい内容の死亡記事は、息子にとっては「癒し」のプロセスだったといいます

一般的に、新聞の死亡記事は故人を偲び、感謝するために書かれる。

しかし、フロリダ・タイムズ・ユニオンに7月2日に掲載されたローレンス・パフ・シニアさんの死亡記事は、かなり手厳しい内容だった。

執筆したのは、58歳の息子ラリー・パフ・ジュニアさん。

81歳で亡くなった父親を「ナルシスト」で「暴力的なアルコール依存症」と表現し、「“趣味”は最初の妻と子どもたちを虐待することだった」と振り返っている。 

【死亡記事の抜粋】

(パフ氏は)3人の子どもを残して亡くなった。いや、4人だ。違う、5人いた。

2022年時点で、私たちは彼にもう1人子どもがいると知っているが、それ以上かもしれない。彼は自分自身をこよなく愛したが、子どもたちへの愛は限定的だった。若い頃から女性好きで、虐待をし、アルコール依存症だった。あらゆるものを破壊し、成人した子どもたちを傷つけた。

さらに、父親はニューヨーク警察署で20年以上働いていたものの「アルコール依存症のせいで指揮官から銃とバッジを没収された。きちんと行動できるまで、代わりにほうきを持たされた」と振り返っている。

そして、記事の最後で「父親を恋しく思うのは難しい」「死は残された人にとって癒しとなる」とつづっている。

「彼は人を愛することができなかった。ローレンス、シニアの逝去は、悪魔は最終的に死ぬということを証明した。そして彼の子どもと身近な人々にとって、癒しの時間が訪れた。ローレンス、シニアは多くの人たちの(生物学上の)父親だったが、本当の意味の父親として思い出す者は誰1人としていない」

手厳しい死亡記事に、様々な反応

パフ・ジュニアさんは、フロリダ・タイムズ・ユニオンの取材に対し「父親は9歳の時に家族を残して家を出た」と語っている。

その後、父親は複数の女性との間に子どもをもうけたが、いずれも面倒を見ることはなかったという。パフ・ジュニアさんは、それら兄弟姉妹と「DNA調査でつながった」と話している。

パフ・ジュニアさんと同じ家で育った姉妹のキャロリン・コンプトンさんも、死亡記事に書かれている内容は間違っていない、と同じメディアに話している。

パフ・ジュニアさんが死亡記事を書き始めたのは、父親がまだ生きていた1年前だ。

その理由を「自分自身を浄化するための方法で、父親から自由になりたかった」とファースト・コースト・ニュースに明かしている。

そして、父親は2022年6月27日に死去した。

厳しい内容の死亡記事に対して、感謝も寄せられているという。

パフ・ジュニアさんは「(フロリダ州)セントオーガスティンに住む人から電話があり、死亡記事の掲載を感謝されました。彼らも同じような経験をしており、自らの癒しの為に、同じことをしたがっていました」とファースト・コースト・ニュースに話している。

しかし、タイムズ・ユニオンを所有するガネット社は、死亡記事を好意的に捉えていないようだ。

同社広報は「我々のガイドラインに沿わない死亡記事を掲載したことを、極めて遺憾に思います。この件を調査しており、記事によって苦痛を感じている方にお詫びします」とコメントしている。

ハフポストUS版の記事を翻訳しました。

注目記事