新型コロナで天国に旅立つ夫のために、妻は笑顔で歌った。「なぜなら彼は闘ったから」

新型コロナ合併症で片足切断したブロードウェー俳優ニック・コルデロさんが亡くなる。妻は最期に、夫の歌を歌った。

新型コロナウイルスに感染し、合併症で片足を切断しながら闘病を続けていたブロードウェイ俳優で歌手のニック・コルデロさんが7月5日、亡くなった。

妻のアマンダ・クルーツ氏さんがInstagramで報告した。

コルデロさんは3月に新型コロナウイルスに感染してから90日以上、病と闘っていた。

クルーツさんはInstagramに「愛する夫は今朝、息を引き取りました。彼はたくさんの愛と家族に囲まれ、歌と祈りを聞きながら地球を去りました」と、夫への思いや深い悲しみを綴った。

「彼の死がまだ信じられません。私はありとあらゆる痛みを感じています。彼なしの人生が考えられず、心が張り裂けそうです」

「ニックは明るい光を照らす人でした。みんなと友人になり、そして人の話に耳を傾け、人を助け、何より人と話をするのが大好きな人でした。素晴らしい俳優でありミュージシャンでした。家族を愛していて、父親、夫として家族から愛されました。エルヴィス(息子)と私はこれから毎日、何をしていても彼に会いたいと願うことでしょう」

クルーツさんはまた、夫の主治医デイヴィッド・ング氏に対しても「あなたのように思いやり深く、積極的で、家族の意見に耳を傾けてくれる医師はほとんどいない」と感謝を伝えている。

■3月に感染。95日の闘い

コルデロさんは41歳。2014年に「ブロードウェイと銃弾」でトニー賞にノミネートされた他、「ウェイトレス」や「ブロンクス物語」など、様々なブロードウェーの舞台に立ってきた

コルデロさんとクルーツさんは「ブロードウェイと銃弾」と共演がきっかけで知り合い、2017年に結婚した

2019年に息子のエルヴィスさんが生まれた後、コルデロさんとクルーツさんは「ロック・オブ・エイジズ」出演のために、カリフォルニア州ロサンゼルスに引っ越した

クルーツさんのInstagramによると、コルデロさんは3月20日に体調が悪化し、30日にロサンゼルス市内にある病院に入院して集中治療室で治療を受けた。

4月1日に人工呼吸器をつけた後には、心肺停止や軽度の脳卒中など様々な合併症を発症し、エクモ(人工心肺装置)や人工透析、ペースメーカーをつけて治療を続けた。体重は65ポンド(約30キロ)減ったという。

そして4月半ばには合併症のために、右足を切断した。

コルデロさんが新型コロナウイルスに感染したあと、SNSを通して症状を報告し続けたクルーツさんのSNSには、たくさんの励ましの言葉や回復を願う声が寄せられた。

クルーツさんは5月13日の投稿でコルデロさんの意識が戻ったことを報告。6月には79日振りに直接会って手を握ったと喜びを伝えた。

しかし7月2日、クルーツさんはCBSのインタビューでコルデロさんは「新型コロナウイルス陰性で昏睡状態から抜け出してはいるが、未だ危険な状態であり、両肺の移植が必要になるだろう」と語っていた。

コルデロさんが亡くなった後、家族の友人のザック・ブラフさんは、コルデロさんは母親と妻に囲まれて亡くなったとTwitterで伝えた。

「ニック・コルデロが今朝11時40分、母親と妻に寄り添われて亡くなりました。正直言って、私は彼ほど親切な人にあったことはない。新型コロナウイルスが重症化するのは高齢者や乳幼児だけなんて信じないでください。彼と一緒に過ごせた時間に本当に感謝しています。『またどこかで会おう』」

クルーツさんは夫の闘病中、回復を願ってくれる人たちにコルデロさんの曲「Live Your Life」を一緒に歌い#WakeUpNick(ニック目覚めて)というハッシュタグをつけて投稿して欲しいと呼びかけていた

夫が他界したことを伝えた5日のInstagramで、クルーツさんは95日間家族を支え応援してくれた人たちへの感謝も綴っている。

「毎日午後3時に、世界中の人たちがニックの歌『Live Your Life』を歌ってくれるのを聞いて、どれだけ元気づけられたことでしょう。私たちは今日、彼の手を握り、彼のためにこの歌を歌いました」

「最後の歌詞、“they’ll give you hell but don’t you let them kill your light not without a fight. Live your life(彼らはあなたを苦しめるだろう。だけど闘わずして、彼らにあなたの光を消させてはいけない。あなたの人生を生きて)”のところで私は思わず笑顔になりました。なぜなら彼は闘ったから。ニック、あなたを生涯愛し続けます。あなたはいつまでも私の大切な人です」

なんとなく受け入れてきた日常の中のできごと。本当はモヤモヤ、イライラしている…ということはありませんか?「お盆にパートナーの実家に帰る?帰らない?」「満員電車に乗ってまで出社する必要って?」「東京に住み続ける意味あるのかな?」今日の小さな気づきから、新しい明日が生まれるはず。日頃思っていたことを「#Rethinkしよう」で声に出してみませんか。

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