漫画「ちびまる子ちゃん」の原作者、さくらももこさんが8月15日、乳がんのため、53歳で亡くなった。生活の変化に伴い、乳がんにかかる人は国内で増加傾向だ。年9万人近くが新たに乳がんと診断されている。
乳がんは乳管から発生することが多く、マンモグラフィや超音波などによる乳がん検診のほか、しこりや皮膚の変化があるのを本人が気づいて診察につながることが多い。
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国立がん研究センターがん情報サービスのまとめによると、30代から乳がんと診断される人が増え始め、40 代後半から 50 歳代前半にピークを迎える。また、乳がんで亡くなる人も年々増えており、女性の30~64歳でがんの死亡原因の第1位でもある。
ただ、早い段階で見つかれば、10年間の生存率は9割を超すことが分かっている。
乳がん発生の危険性を高める要因として、同センターは次のようにまとめている。
・初経年齢が早い・閉経年齢が遅い・妊娠・出産経験がない・高齢出産
・授乳歴がない・ピルの使用・閉経後のホルモン補充療法・高身長、閉経後の肥満(閉経前乳がんは、逆に肥満者でリスクが低くなる可能性が高い)
・酒を飲む習慣・母や子が乳がんになったことがある・良性乳腺疾患と診断されたことがある
・マンモグラフィ上の高密度所見
予防策としては授乳のほか、「運動を心掛け、アルコールの過剰摂取を控えましょう」と呼びかけている。食事や栄養に関しては、脂質がリスク要因、野菜、果物、食物繊維、イソフラボンなどが予防要因として注目されるとしながらも「現時点で十分に根拠がそろっているものはありません」としている。