お菓子のプラスチック包装削減を求める署名を受けとったことについて、ブルボンが7月29日にニュースリリースを発表した。この内容についてネット上で、「ファンにならざるを得ない」などと称賛の声が上がっている。
リリースによると、東京都在住の高校生から「プラスチックごみが増えるお菓子の過剰包装をやめてほしい」との意見と賛同署名が届いたという。この署名についてブルボンは、「プラスチックごみの削減の趣旨につきましては、全くその通りであり当社と方向性が一致するものと考えています」と同意。
その上で、「商品の過剰包装防止や使い捨てプラスチック製品の代替化などについて、当社でもそれぞれの立場で今まで以上にスピードを上げた対応が必要であると考えています」とし、同社の取り組みを7項目に渡って説明した。
経営理念に注目集まる「集団の生存性を高める」
ネット上ではこの回答が真摯だとして、「お手本のよう」「ファンにならざるを得ない」「これはかっこいい」などの好意的な反応が広がっている。
さらにブルボンの経営理念にも「格好良すぎてため息が」などと注目が集まっている。
ブルボン公式サイトに公開されている企業情報によると、経営理念は下記の通り。
利害相反する人を含めて、集団の生存性を高める
ブルボングループを取り巻く七媒体(消費者、流通、国・県・市町村、株主、金融機関、取引先、従業員)を含めて、集団の生存性を高めるという考え方です。
今回のプレスリリースではブルボンの沿革について下記のように記述している。
当社は1923年(大正12年)の関東大震災により地方への菓子供給がストップした窮状を見て、地方での量産工場による菓子作りを決意し、翌1924年(大正13年)に新潟県柏崎で創業しました。
災害をきっかけとして事業を興した志をずっと継承しており、災害時等の状況下でもお役に立てる企業を目指し、安全・安心な商品づくりはじめとして種々の活動に取り組んでおります。
これからも、食品製造企業として「品質保証第一主義」に徹するとともに、“心と体の健康づくり”をテーマに、ずっと続く笑顔を目指して活動してまいります。(原文ママ)
ブルボンが公開した7項目(全文)
1. 包装につきましては食品の保護や安全性の確保、トレーにつきましてはお菓子の特性に応じて商品の状態を保持するため、個包装につきましては少子高齢化社会や個食の時代的ニーズに合わせて外装を開封後の商品保存を可能とするためや、楽しくシェアしてご利用いただくときにも安心なアレルギー表示をお伝えするなどの目的で使用しています。
2. 当社での包装資材の調達におきましては、SDGs(持続可能な開発目標)との関連を意識して、よりサスティナブルな調達活動となるよう、種々の評価項目のもと活動を展開しています。特にプラスチック包装に関しては、商品の流通に必要な品質を確保しながらもコンパクトな包装となるようにサイズや材質を随時見直し、過剰包装とならないようできるだけ工夫をしています。加えて、植物由来のプラスチックであるバイオマスプラスチックの活用や紙などへの代替素材に変更する取り組みも積極的に進めています。
3. バイオマスプラスチックの採用は、2009年(平成21年)に開始し、以降も継続して採用商品を増やしています。すでに、「アルフォート」「レザンヌ」のトレーなどでバイオマスプラスチックの採用を行っています。また、「ブランチュール」のプラスチックトレーでは、かねてよりバイオマスプラスチック10%使用のものを、25%使用したバイオマスマーク25を刻印したものに変更する計画をすでに進めており、「プチポテト」シリーズの外包装とともに2020年(令和2年)夏の生産より実施していきます。
4. プラスチック製のものを紙などに代替する活動につきましては、「アルフォートミニチョコレート」や「ブランチュールミニチョコレート」での紙トレー化をすでに行っているほか、「もちもちショコラ」シリーズに梱包していたプラスチック製のフォークを、紙製のピックへ2019年(平成31年)2月より変更しています。
5. 包装の最小化として、使用するフィルムやトレーの厚みを薄くしプラスチック使用量を削減する取り組みでは、2019年(令和元年)11月にファミリーサイズ商品群の外装フィルムを約8%薄くし年間で約 27 トンのプラスチック削減を行ったほか、「ブランチュール」のプラスチックトレーにおきましても、何回もの薄肉化活動を行い現在では発売当初の厚みから35%以上の厚みを削減するとともに、上述の植物由来プラスチック25%配合を使用した改善を図っています。
6. 関連して、長年培ってきた菓子製造技術の応用や発展により、ストローとしても使用できるトッピングクッキー「コロネクッキー」を開発し、2020年(令和2年)1月より販売を開始しました。この商品を通じてプラスチック削減への新たな提案を行っています。
7. 加えて、包装材料の印刷時の作業環境改善や大気中への揮発性有機化合物の排出削減など複合的な環境保全を目指して、水性インキによる印刷を1999年(平成11年)より採用し、2015年(平成27年)には一般社団法人健康ビジネス協議会の「水性印刷商品認証制度」による認証マークを商品パッケージに印刷しています。現在では、水性インキ使用商品の比率は商品全体の約45%に拡大しています。