(2017年/Blade Runner 2049)
名前の通り、SF映画の金字塔『ブレードランナー』(1982年)の続編である。本作の舞台は、30年後の2019年という事になる。リドリー・スコット監督(現在79歳)の前作の内容がカルト的な人気を醸していった。リドリー・スコットが製作総指揮で今回もそのテイストは残っている。
新宿歌舞伎町にインスパイアされたという、わけの分からないアジア的混在の街は重要なエリアとして今回も登場する。今回もしっかりとした語学的な考証はされていないようである(日本語のソニーの宣伝もある)。もちろん、酸性雨は降り続いている。そして、雪も降る。
レプリカントによるとされる大規模な停電が2022年に起きたのをきっかけに、世界は食物供給が混乱するなど危機的状況を迎える。その後、科学者ウォレスが遺伝子組み換え食品を開発し、人類の危機を救う。そして、元捜査官デッカード(ハリソン・フォード)が突然行方をくらませて以来30年の月日が流れていた。
ブレードランナー(Blade Runner)の意味はいろいろ言われているが、筆者は刃(Blade)を走らせる人=「殺し屋」が一番ぴったりすると思う。
そもそもはレプリカントの寿命は、もともとは、4年にセットされており、逃亡したものはブレードランナーが追うというわけであった。しかし、そのレプリカントの中にも、人間としての感情を持つものも出てきていた。ネタばれは厳禁と言われており余り書けないものの、当然のことであるが、レプリカント処分の任務に就く主人公レプリカント「K」が巨大な陰謀に巻き込まれていく・・・。
新旧のブレードランナーを『ラ・ラ・ランド』などのライアン・ゴズリング(36歳)と、前作から続投のハリソン・フォード(75歳)が熱演。『メッセージ』などのドゥニ・ヴィルヌーヴ監督がメガホンを取った。
このようなことは少子高齢化が進む「現代」、まさに「近未来」に起こりえる事象である。人間の人手が足りなくなる。その穴を埋めていくのは、外国人労働者でたりなくなり、AIをもったレプリカントなのではないか。そして、そのレプリカントも感情を持つ者も現れる可能性もある。
ちなみに、以前あったソニーのAIBO(最近、再発売される!)の愛くるしい態度は十分に人の心を癒した。もっといえば、ひどい輩は筆者の周りにも結構いる。その人たちは人としてどうですか、という事をしてくる。そんな輩に比べたら、AIBO、そしてアプリカントの方に愛情を抱くのも分かる。
AIも高度化すればするほど、「まともな感情」を持ってくる可能性がある。本作品のテーマでもあるが、人間の価値はそこにあるのではないか。ただし、現在の世の中にいる性根のくさった人間はなんとか対応しなければならない。
ちなみに、この映画は2時間43分と意外と長い。最初の『ブレードランナー』は118分と2時間弱であった。個人的には歳のせいか、90分ぐらいが丁度良いと思い始めた。2時間以上の映画は引いてしまう。忙しい生活を送っているせいもある。筆者の映画のチャッチ・フレーズは「映画は2時間の夢」であるが(笑)。
個人的には、筆者はハリソン・フォードと40年来のファンであったが、この映画のおかげで会うことができて、映画の神様に感謝している。