韓国の人気グループ、BLACKPINKの楽曲「ラブシックガールズ(Lovesick Girls)」のミュージックビデオの場面の一部に対して、「看護師を性的対象にしている」と議論が起きている。
10月6日、所属事務所のYGエンターテインメントがこの騒動についてコメントした。
YGは「特定の意図はまったくなかったが、歪曲した視線が注がれていることに憂慮します」とし、「ミュージックビデオも一つの独立の芸術ジャンルとして見てくださるようお願いしたい。各シーンは音楽表現以上に、何の意図もなかったことをご理解いただければ幸いだ」と述べた。
議論になったシーンは、歌詞を反映したものとして「制作陣は該当シーンの編集について深く悩み、議論中だ」と付け加えた。
「ラブシックガールズ」は、BLACKPINKが10月2日に発売したアルバムのタイトル曲だ。
この日公開されたミュージックビデオでは、メンバーのジェニが、看護師のようなセクシーな服装で出演している。
これに対し、韓国の全国保健医療産業労働組合(保健医療労組)は5日、文書を出し「ヘアキャップ、タイトで短いスカート、ハイヒールなど、実際とかけ離れた看護師の服装は、典型的な性的コードをそのまま踏襲した服装と演出だ」と指摘した。
また、「看護師は保健医療労働者であり、専門医療人であるにもかかわらず、女性が多いという理由だけで、性的対象にされ、専門性を疑われる卑下的な描写を経験してこなければならなかった」とし、「改善のために看護師たちが、長い間闘ってきたのにもかかわらず、YGエンターテインメントはBLACKPINKのミュージックビデオに看護師を性的対象化して登場させた」と批判した。
さらに声明文では「看護師たちは、病院労働者の中で最も高い比率で性暴力を受けている。エンタメ業界が歪んだ看護師のイメージを繰り返し伝えるほど、このような状況はより悪化する」と述べた。
「#nurse_is_profession」(看護師は職業だ)ハッシュタグ
登場
該当ミュージックビデオは、まず最初にSNS上で議論となった。ネットユーザーは「#nurse_is_profession」(看護師は職業だ)「#stop_sexualizing_nurses」(看護師の性的対象化を止めろ)、「#看護師はコスチュームではない」などのハッシュタグで、看護師など女性が多い職業を正しい視線で見てほしいと求めた。
【2020/10/07 UPDATE】
YGエンターテイメントは7日、「看護師の制服が出てくるシーンをすべて削除することを決定した」と明らかにした。
YGエンターテインメントの公式コメント全文
まず、常に患者のそばで孤軍奮闘する看護師の方々に、深い尊敬の気持ちを伝えます。
「Lovesick Girls」は、私たちはなぜ愛に傷つき苦しみながらも、また違う愛を探していくのかについての悩みと、その中での希望のメッセージを伝えた曲です。
「Lovesick Girls」のミュージックビデオで、看護師と患者が登場する場面は、歌の歌詞「No doctor could help when I’m lovesick」を反映したものです。
特定の意図はまったくありませんでしたが、歪曲した視線が注がれていることに憂慮の意を表します。
ミュージックビデオも一つの独立芸術ジャンルとしてご覧いただけますようお願いします。各シーンは音楽表現以上に、何の意図もなかったことをご理解いただければ幸いです。
制作陣は該当シーンの編集に関して深く悩み、議論している最中にあります。
この記事は、ハフポスト韓国版を翻訳・編集しました。