遂に3月1日に日本でも公開を迎えた映画『ブラックパンサー』。全米で大ヒット中のこの映画は、既に興行収入が50億ドル(約535億円)を突破し、一大センセーションを巻き起こしているが、動物保護施設にも影響を及ぼしているようだ。ソーシャルメディア(SNS)の投稿によると、黒猫を引き取りたいという人が増えているというのだ。
この何とも微笑ましい現象は、TwitterやTumblrで数多く見受けられ、中でもTumblrのユーザーgallusrostromegalusさんは、自身の住むコロラド州デュランゴ周辺にある数ヶ所の保護施設で約60匹の黒猫がここ数週間のうちにもらわれていったと投稿している。
引き取り申込書を見てみると、猫につけた名前が、ティ・チャラ(チャドウィック・ボーズマン演じる映画のタイトルにもなっているスーパーヒーロー)、オコエ(ダナイ・グリラ演じるワカンダ国王の親衛隊ドーラ・ミラージュの隊長で最強の戦士)、シュリ(すでに多くのファンを獲得しているレティーシャ・ライト演じるワカンダの王女)が人気となっているようで、申請書の中には猫の名前をマイケル・B・ジョーダン演じる悪役の名前にしているものもあり、それを見た動物愛護協会の高齢ボランティアは、こんな可愛らしい猫に「キルモンガー(殺しの商人)」などという名前を付けるのか、理解しがたい様子だったという。
もちろん、この現象には問題点もある。TumblrとTwitter両方のユーザーが指摘しているが、動機は良いのだが、ペットを飼った経験のない人たちは、動物を育てるというその責任の重さを実感して、せっかく引き取った猫を手放してしまうことがある。実際、そんな事例が『ゲーム・オブ・スローンズ』のファン間で起こった。自分もダイアウルフを飼いたいという軽い気持ちでよく似たハスキー犬を購入してはみたものの、手に負えなくなって施設に保護してもらいに来るのである。
前述のgallusrostromegalusさんによると、地元の保護施設は引き取りに関する規約がかなり厳しいそうで、そう簡単にペットをあきらめるような人の手に渡ることは非常に難しく、審査の段階で不合格になるという。今回の件に関しては、もともと猫を引き取るつもりだった人たちが黒猫を見て『ブラックパンサーみたい』と家に連れて帰るのだそうである。
■参照リンク
(2018年3月1日「AOLニュース」より転載)
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