社員の意思に反し誕生日会を開催した会社、裁判で約5700万円の支払いを命じられる アメリカ

誕生日会を拒否した社員はパニック障害を患っており、パーティーはパニック発作を引き起こす可能性があるため会社に開催しないよう頼んでいた。
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Edwin Tan via Getty Images

アメリカ・ケンタッキー州に住む会社員の男性が、事前に拒否していたにも関わらずオフィスで誕生日パーティーを開かれて精神的苦痛を受けたとして、裁判を起こした。陪審員は3月、パーティーを開いた男性の勤務先の企業に対し、男性に45万ドル(約5700万円)を支払うよう命じた。AP通信などが報じた。

BBCによると、原告のケビン・バーリン氏はパニック障害を患っており、誕生日パーティーでのストレスがパニック発作を引き起こす可能性があったという。そのため、バーリン氏は、会社にパーティーを開催しないよう事前に頼んでいた、と訴訟の中で述べていた。

しかし、彼が勤めていた会社Gravity Diagnosticsは2019年8月、サプライズパーティーを開き、バーリン氏はパニック発作を起こした。翌日、バーリン氏は会議で上司に「みんなの楽しみを奪った」などと責められ、再びパニック発作を起こしたという。

それから数日経った8月11日、バーリン氏は「職場での安全への懸念」を理由に会社から解雇された。

NBCによると、バーリン氏は「障害への差別と報復だ」と主張し、会社を訴えたという。

AP通信によると、ケンタッキー州ケントン郡で2日間かけて行われた裁判は2022年3月末に判決があった。陪審員は会社側に、男性の精神的苦痛に30万ドル、失われた給料として15万ドルの支払いを命じたという。

バーリン氏の弁護士はBBCのインタビューに対し、「彼はただパニック発作を起こしただけです。しかし、会社がパニック発作を理解せずその反応に驚き、危険だと思い込んだのです」「暴力的な行為の証拠もなく、メンタルヘルスを抱える人が危険だと思い込むのは差別です」と述べた。

AFP通信によると、被告であるGravity Diagnosticsは4月18日、差別を否定。バーリン氏のパニック障害について何も聞かされてなかったとし、控訴する意向を示しているという。

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