色は見る者次第

評価シグナルの範疇知覚に関する最初の実証例であるとすれば、重要である可能性がある。

色の弁別課題を行うキンカチョウ(Taeniopygia guttata)の雌。

Credit: Ryan Huang, TerraCommunications, LLC

範疇知覚(カテゴリー知覚)とは、刺激の受信者の知覚系が連続的に変化する刺激を異なる範疇に分類する機構のことで、範疇境界の異なる側に位置する色同士は弁別するが、同じ範疇内のものは弁別しない。

今回S Nowickiたちは、キンカチョウ(Taeniopygia guttata)の雌が、雄のくちばしの色(雄の質の評価シグナルのよく研究された例)を、連続的知覚ではなく範疇知覚の様式で知覚していることを示唆する証拠を示している。

自然界で見られるくちばしの色の差異に対応した色刺激を用いた実験から、雌が雄のくちばしの色をわずか2つの範疇に知覚的に分類することが示された。

さらに、この分類が刺激の明るさだけによるものではないこと、そしてこれらの範疇が鳥類の光受容器の波長識別機能の結果としては生じていないことも明らかになった。

著者たちが述べているように、これが評価シグナルの範疇知覚に関する最初の実証例であるとすれば、重要である可能性がある。

Nature560, 7718

原著論文:

doi: 10.1038/s41586-018-0377-7

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