第46代アメリカ合衆国大統領に就くジョー・バイデン氏と副大統領カマラ・ハリス氏の就任式は、1月20日(日本時間21日)に行われる。
新大統領の任期がスタートするのは、20日正午(日本時間午前2時)で、ふたりはその直前に就任宣誓する予定だ。
新型コロナウイルスや1月6日に起きたトランプ氏支持者による暴動の影響で、これまでとは大きく異なる様相になる今回の就任式。
限られた出席者にはマスク着用が義務付けられ、パレードはバーチャル開催になる。トランプ氏支持者による暴動を警戒して、ワシントンD.C.には厳戒態勢が敷かれる。
パレードなどの規模が縮小される一方で、レディー・ガガ氏やトム・ハンクス氏などのアメリカを代表するミュージシャンや俳優の参加が発表されており、華やかな式典にもなりそうだ。
誰が参加し、どんな内容になるのだろう。これまでに発表されている内容を紹介する(※編注:記事で紹介する内容や出席者などは、変更になる可能性があります)。
就任宣誓
就任式のスタートとなる就任宣誓のセレモニーでは、レディー・ガガ氏が国歌を斉唱し、ジェニファー・ロペス氏とガース・ブルックス氏もミュージックパフォーマンスを披露する。
また、22歳の若手詩人アマンダ・ゴーマン氏が自作の詩を朗読する。
注目が集まるのが、宣誓後の新大統領就任演説だ。
バイデン氏はこれまで何度も「国を団結させる大統領になる」と強調してきた。
就任式のテーマも「団結するアメリカ」で、演説では国を一つにする決意を改めて伝えるとみられている。
就任式実行委員のツイート:就任式のテーマは「アメリカ・ユナイテッド(団結するアメリカ)」です。かつてない危機と深い分断の中で、団結するアメリカ」は魂を回復するための新しい旅という意味を持ち、国を一つにし、明るい未来への道を作ります。
バーチャルパレード
就任演説の後、バイデン新大統領らは軍の指揮官交代式典「パス・イン・レビュー」に出席する。そして戦没者が埋葬されているアーリントン国立墓地を訪れて献花する。
献花後には軍の代表者にエスコートされてホワイトハウスに向かい、バーチャルパレードがスタートする。
大統領就任式史上、初めてとなるバーチャルパレード。その内容はアメリカ50州や準州の代表によるパフォーマンスなど、国の多様性やダイナミズムを伝えるものになっている。
司会は人気テレビシリーズ『スキャンダル』でアメリカ大統領を演じた俳優のトニー・ゴールドウィン氏で、コメディアンのジョン・スチュワート氏やフィギュアスケーターのネイサン・チェン氏も参加する。
またニュー・ラディカルズが約20年振りに再結成し、ヒット曲『You Get What You Give』を演奏する予定になっている。
就任式実行委員のツイート:アメリカを横断するパレードへみなさんをお連れします。
特別イベント「アメリカを祝福する」
就任式の最後を飾るのは、午後8時半(日本時間21日午前10時半)から行われる特別イベント「アメリカを祝福する」だ。
司会は俳優のトム・ハンクス氏で、同じく俳優のケリー・ワシントン氏とエヴァ・ロンゴリア氏が各コーナーの紹介をする。
90分続くこのイベントでは、バイデン氏とハリス氏のスピーチに加えて、多くのミュージシャンによるパフォーマンスが予定されている。
これまでに出演が発表されているのは、ジョン・ボン・ジョビ氏やフー・ファイターズ、ジョン・レジェンド氏、デミ・ロヴァート氏、ブルース・スプリングスティーン氏、ジャスティン・ティンバーレイク氏など。
他にも、元NBAプレーヤーのカリーム・アブドゥル=ジャバー氏や大リーグ初の女性GMキム・アング氏、シェフのホセ・アンドレ氏らが参加する。
また、著名人に加えて宅配ドライバーや、教師、医療従事者など、パンデミックの中で“ヒーロー”と呼ばれてきた人たちにも光が当てられる。
厳戒態勢のワシントンD.C.
就任式にはバラク・オバマ氏やジョージ・W・ブッシュ氏、ビル・クリントン氏ら大統領経験者も参列するが、就任式出席を拒んでいるドナルド・トランプ氏は参加しない予定だ。
1月6日に起きたトランプ氏支持者による暴動では、5人が死亡し大勢の参加者が逮捕された。
FBIは就任式当日も抗議活動や暴動を計画している支持者がいると考えており、首都ワシントンD.C.には約2万5000人の州兵が配置される。
ワシントンD.C.にある国立公園ナショナル・モールも閉鎖され、いつものような大勢の市民が集まる光景は見られなくなるが、同公園は全米50州や準州の旗で覆われる予定だ。
就任式実行委員のツイート:就任式の日、ナショナル・モールは約20万の州旗や準州旗で覆われます!
新型コロナウイルス、分断、環境問題など課題が山積みのアメリカ。
その舵取りを担うバイデン&ハリス政権の船出となる就任式に、アメリカ国民だけではなく世界中が注目することになりそうだ。