イギリスの最大野党・労働党の元職員ベックス・ベイリーさん(25)が10月31日、出演したラジオ番組で、2011年に党幹部からレイプされたことを告白した。BBCなどが報じた。
当時19歳だったベイリーさんは、2011年の労働党党首選で、リズ・ケンドール氏陣営のアシスタントをしていた。レイプしたのは議員ではない党メンバーだという。
さらに、ベイリーさんは衝撃的な事実を暴露した。
レイプ被害を受けた2年後、党職員に事実を打ち明けたところ、誰にも報告するなと指示されたのだという。彼女は「告白したらそれは君に大きなダメージとなる」と言われた。
ベイリーさんは、政治的な「バイアス」を超えてこういった問題を調査し、警察に訴え出るための支援をする独立機関を設けることを提言し、被害を受けた側が不利益を講じることが決してないようにするべきだと訴えた。
この告白はイギリス中を驚かせ、憤慨させている。
■どうせ信じてもらえないだろうと思った。でも...
ベイリーさんは、レイプを受けた当時を振り返り、以下のように話した。
とても怖かったし、恥ずかしかった。労働党の人たちがゴシップ好きなのもわかっていたし、(レイプされたことを)誰にも知られたくなかった。 どうせ誰も信じてくれないだろうとも思っていた。
このタイミングで勇気ある告発をした背景には、ハリウッド大物プロデューサーのセクハラ疑惑に端を発し、世界中の女性がレイプなど自身の性被害を告白し始めた"Me Too"キャンペーンがあるようだ
ベイリーさんは、たくさんの勇気ある女性たちがここ数週間に渡って声をあげているのをみて、自分も告発することを決めた、と述べた。
この恐ろしい出来事が、少なくとも私たちの党や国会を変えていくことを強く望んでいます。
「サン」紙によると、労働党のジェレミー・コービン党首は、ベイリーさんの告白を「信じられないような勇気ある行動だ」とし、「全力でサポートする」と発言している。
労働党は専門の調査機関を設け、2011年のレイプ被害に関する申し立てについて調べるとしている。
ベイリーさんが2011年の党首選で支援していた候補者のリズ・ケンドール上院議員はハフポストUK版の取材に「ベックスは、信じられないくらいの勇敢さで自分の体験を告発してくれた。彼女が求めている変革を必ず成し遂げるべきだし、党のメンバーが何かを告発することを恐れる状況を二度と作ってはいけない」と語った。