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アメリカ・テキサス州に住むメアリー・ウォリックさんは、1500匹以上のコウモリとクリスマスを過ごすことになるとは思ってもいなかった。
テキサス州は12月22日の夜に寒波が到来し、ヒューストン地域では気温が氷点下まで下がった。
この急激な寒さの影響を受けたのが、橋の下で暮らすメキシコオヒキコウモリだ。気温が低くなったために橋をしっかりつかんでいられなくなり、地面に落下した。
動物保護福祉団体「ヒューストン・ヒューメイン・ソサエティ」の野生生物ディレクターでコウモリ専門家のウォリックさんは、「低体温症になって橋につかまっていられなくなり、落下してしまうのです」とハフポストUS版に説明した。
ヒューストン・ヒューメイン・ソサエティによると、メキシコオヒキコウモリはとても体が小さくて体脂肪が少なく、凍えるような寒さにさらされると死んでしまう。
凍えて落ちたコウモリを救うためには、一刻も早く体を温め、水分を与える必要があるという。
ウォリックさんは26日時点で1544匹のコウモリを保護しており「80匹がさらに加わった」と話してくれた。
コウモリたちはウォリックさんの家にある保温器で保護されているほか、屋根裏に置かれた犬小屋にぶら下がっているものもいる。冬眠状態でエネルギーを蓄えているのだという。
ウォリックさんが世話をしているほとんどが、テキサス州ペアランドの小さな橋で暮らすコウモリだが、中には「ウォー・ブリッジ・コロニー」の個体もいる。
「ウォー・ブリッジ・コロニー」は、ヒューストンにあるウォー・ドライブ・ブリッジの下に生息するコウモリの大群だ。日没時にはコウモリが飛び立つのを見るために人が集まり、観光名所にもなっている。
保護されたコウモリの100匹強は助からなかったものの、大部分は回復しており、気温が上昇すれば数日以内に放される予定だ。
ウォリックさんによると、冬にコウモリを保護するのは珍しくないが、これほど多くの救出が必要になるほどの深刻な寒波は珍しい。「前回は約2年前で、たくさんのコウモリが死にました」と話す。
さらに、寒さで落下したコウモリを助ける時には、狂犬病感染のリスクがあるため決して素手で触らないでほしい、と強調する。
ウォリックさんがお勧めするのは、手袋を着用し、ダンボールなど厚手の紙を使って、ティッシュを敷き空気穴を開けた靴箱にコウモリを入れる方法。箱を安定させた状態で、認可された野生生物保護施設に連れてきて欲しい、と説明する。
ウォリックさんによると、コウモリは蚊や蛾など農業上問題となる虫を食べると同時に、タカやフクロウなどのエサにもなり、生態系においても重要な役割を果たしている。
「すべての生き物に価値があり、命を救うことは重要だと考えています」と話す。
さらに、ウォー・ドライブ・ブリッジが観光名所になっていることから、人間はコウモリに借りがある、とも強調する。
「観光名所として利用するのであれば、(彼らを助けるのは)私たちにできる最低限のことです」
ハフポストUS版の記事を翻訳しました。