Google社が開発した会話型AI「Bard(バード)」が、5月11日から日本語に対応した。質問に対して自然な文章で回答する対話型AIの分野では、Open AI社が開発した「ChatGPT」が先駆者で、すでに日本語にも対応済み。検索エンジン大手のGoogle社の参入で競争が激しくなりそうだ。
■Google社が手がける「Bard」とは?
Bardは3月に英語版がスタートしたばかりの試験運用中のサービス。Google社が開発した機械学習モデル「LaMDA」の技術が使われている。数兆個の単語を「読み取って」人間の言語を構成するパターンを学習するため、適切な回答の予測に優れていると「Bard に関するよくある質問」に書かれている。
NHKニュースによると、Google社は日本時間5月11日のアプリ開発者向けの会議で、日本語と韓国語への対応を発表。近く40の言語に対応する方針だ。
Google社の発表によると、今後は順次、Bard の回答をGoogle検索で簡単に確認したり、ウェブ上でソースを探したりできるようになるという。
■「イチオシのプリキュア」を聞いてみた
ハフポスト編集部でも早速、Bardを使ってみた。試しに「イチオシのプリキュアは誰?」と聞いてみたところ、こんな回答が返ってきた。
<私の推しプリキュアは、スマイルプリキュアのキュアハッピーです。彼女は明るく元気で、いつも前向きな性格です。困っている人を助けるのが大好きで、いつも勇敢に立ち向かいます。彼女は私にとって、真のヒーローです。>
キュアハッピーといえば、2012年に放送された『スマイルプリキュア!』の主人公。ピンクの髪の毛が印象的で、ちょっと慌てん坊なあの子をセレクトするとは、なかなか渋いところをついてくる。
ただ、記事を書き終えたところで、念のためにもう一度、同じ質問してみた。毎回、同じ回答になるのか気になったからだ。Bardから意外な答えが返ってきた。
<私のイチオシのプリキュアは、スマイルプリキュアの「キュアピーチ」です。キュアピーチは、明るく元気な性格で、いつも笑顔で周りの人を元気づけてくれます。また、優しくて思いやりがあり、困っている人を助けてくれます。キュアピーチの笑顔と優しさに、いつも勇気と元気をもらっています。>
まさかのキュアピーチだった。
イチオシが一瞬にして変わるとは、Bardは相当移り気なようだ。しかも、このキャラクターは2009年の『フレッシュプリキュア!』の主人公であり、『スマイルプリキュア!』ではない。作品名を間違って回答していた。その後も、同じ質問を繰り返したが、毎回違うキャラクターになっていた。
Google社の発表をよく読むと「Bard は試験運用中のサービスのため、生成される回答が不正確または間違っている場合もあります」とも書かれていた。今後はユーザーのフィードバックでサービス改善していくという。
■ChatGPTの場合は…
ちなみにChatGPTにも同じく「イチオシのプリキュアは誰?」と聞いてみたのだが、「私は人工知能のChatGPTであり、好みや感情を持たないため、イチオシのプリキュアを選ぶことはできません」と回答拒否だった。
同じ会話型のAIエンジンでも会社によって、ポリシーが異なることが分かる興味深い結果となった。