アメリカ・アラスカ州で、湖に落ちて命の危険にさらされていたヘラジカの子どもを、地元住民と警察が救助した。
AP通信によると、ホーマーにあるアウトドア旅行会社で働くウォーレンさんは6月14日早朝、水上機を準備するため訪れたベルーガ湖で奇妙な鳴き方をする鳥の声を耳にした気がした。
声の主は、水上機と桟橋の間に落ちて動けなくなっていた子どものヘラジカだった。少し離れた場所にはもう一頭子どもを連れた母親ヘラジカがいて、湖に落ちた我が子を心配そうに見ていたという。
子連れのヘラジカは時に危険な存在だ。アラスカでは5月に、子どものヘラジカを撮影しようとした写真家が、母親に襲われて死亡した。
カナダCBCによると、ウォーレンさんは近くにあった小屋の後ろに移動して母ヘラジカと距離をとり、車に戻って上司に連絡。上司が警察に連絡した。
通報を受けて2人の警察官が駆けつけ、1人がパトカーで母ヘラジカと水上機の間を隔て、ウォーレンさんともう1人の警察官で子ヘラジカを救出した。
ウォーレンさんが投稿した動画には、二人がかりでヘラジカを水の中から引き上げる様子が映っている。ウォーレンさんは「びしょ濡れのヘラジカは軽くはなかった」とCBCに話している。
救出されたヘラジカはその場に座り込んでしまったものの、警察官が体を持ち上げてあげると、すぐに歩き出した。動画には助かった子どもの体を母親が舐める様子も映っている。
ホーマー警察は、「間違いなく死んでいたであろうヘラジカの子どもを救出しました」「人生には本当に大切なことをしなければならない時がある」 とFacebookにコメントしている。
CBCによると、救出後ヘラジカの親子はウォーレンさんの会社近くにしばらくとどまり、助けられた子どもは玄関ポーチで気持ちよさそうに昼寝をした。その後、一家は森に戻ったという。