以下の会話はアラブ世界のSNSで話題になっている。
作者不明だが、日本語に訳してみた。
一人の妊婦さんのお腹の中に双子がいる。
双子の間に次の会話が行われた。
兄:「出産後、世界と存在を信じるかい?」
弟:「もちろん信じるよ。出産後は何かしらはある。きっと。我々は今その準備期間にあるじゃないか?」
兄:「妄想だ。何もありやしない。で、お前はどんな世界だと想像するの?」
弟:「詳細はわからないが、ここよりもっと光がある世界、もしかしたら我々は足で歩くことだってできるかもしれないし、口で食べることさえできるかもしれない。
兄:「でたらめだ。足で歩くなんて、口で食べるなんて、全部は不可能だ。臍帯が唯一の栄養源だ。お前が言うことをするのに、臍帯はあまりにも短いのだ」
弟:「いや、きっとそうよ。ここと違う世界になるはずだ。我々の風貌も今と変わるはずだ。臍帯は必要なくなると思う」
兄:「しかし、出産後何があるのか教えくれる人もいない。誰も出産後ここに戻ってこない。
出産したら絶対に子宮に戻れない。僕が思うのは出産は生命の終わりだし、全ての終わり。出産後は虚無しかないのだ。我々の個々の生命は暗鬱の中にある悲惨な存在でしかなく、何にもつながらない」
弟:「確かに我々は出産後の世界を明確に知らない。しかし少なくともお母さんの顔を見られると思うし、お母さんは出産後、我々の面倒を見てくれると思うよ」
兄:「はははは。お母さん!お母さんの存在を信じているのか?お母さんはどこ?」
弟:「我々を取り巻くものの悉くはお母さんだよ。我々が生きているのもお母さんのおかげだ。お母さんがいなければ、この我々の世界の存在はありえないのだよ」
兄:「僕はお母さんの存在を信じない。お母さんを見たことがない。だから論理的に存在しないと同じだ」
弟:「確かに我々はお母さんを見たことがないのだが、それにしてもお母さんの存在を感じることは何度もある。我々に優しくさすって、我々の世界を手で確認してくれている。深い沈黙と黙想でお母さんの声さえ聞こえるのだ」
兄:「でたらめだ。全ては単なる偶然だ」
弟:「何かがあるはずだ。今我々は長い長い段階のための短い段階にあるだけ。あなたは好きなように考えるのは自由だ。出産後はどうなるか?もう少しでわかるだろう!」