生理用品が税率0%に。「コンドームは非課税なのに不公平」という声が政府を動かした。

オーストラリアで2019年から実施

オーストラリア政府は10月3日、生理用品の非課税を決定したと発表した。2019年1月から実施される。

"タンポン税"と呼ばれる生理用品への課税を、オーストラリアの女性団体は「不公平で差別的」だと批判し、非課税にするよう求めてきた。

オーストラリアでは、商品やサービスに10%の商品サービス税(GST)が課される。しかし野菜やパン、教育や医療など、最低限の生活を送るために必要な物品やサービスは対象外だ。

コンドームや潤滑油、バイアグラは医療品として認められていて、GSTの対象外。しかし生理用品は生活必需品としても医療品として認定されず、課税されてきた。

GSTが2000年7月に導入された時、マイケル・ウーリッジ保健相(当時)は生理用品に課税する理由を「コンドームは病気を予防するが、生理は病気ではないから」と説明した

しかし生理用品は、多くの女性が毎月必要としている品物。女性団体はGST導入当初から「コンドームは非課税なのに生理用品が課税されるのは不公平だ」として、非課税にするよう求めてきた。18年の闘いの末に、ようやく実現させたことになる。

生理用品のGSTによる収入は、年間3000万オーストラリアドル(約24億3000万円)になる。そのため、オーストラリアの州と特別地域は、非課税に反対したが、保守連合と労働党が協力して実現させた。

ケリー・オドワイヤー女性担当相は「不公平だと批判されてきた税金をなくすために、全員が力を合わせたことを嬉しく思います。大勢の女性たちが、オーストラリア中で喜んでいます」とコメントした。

またジョシュ・フライデンバーグ財務大臣も「常識の勝利」であり、失う収入分は他への課税で埋め合わせると説明した。

生理用品を非課税にする国は、オーストラリア以外にも増えつつある。2004年にはケニアが、2015年にカナダ、そして2018年にインドが生理用品の非課税を決めている。アメリカでも9つの州が、生理用品に課税しない。

生理用品への非課税で、女性がより生きやすくなるだけでない。オーストラリア労働党のキャサリン・キング氏は「生理用品が手に入れやすくなるだけでなく、ジェンダー平等を実現するための重要なステップだ」と述べる。

非課税が決まった日、喜びの写真がSNSに投稿された。

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