教育番組「おかあさんといっしょ」で11代目うたのお兄さんを務めていた横山だいすけさんが歌う「あたしおかあさんだから」の歌詞に対し、献身的に子育てをする「お母さん像」を賛美しているなどの批判が寄せられている。
これを受け、作詞を担当した絵本作家の「のぶみ」さんが2月5日、自身のFacebookを更新。「おかあさんたちってこうなんでしょって想像で決め付けて書いてることは、一つもない」とコメントした。
「あたしおかあさんだから」は、大ヒットを記録した絵本作品「ママがおばけになっちゃった!」などを手がけたのぶみさんが作詞を担当。横山だいすけさんの冠番組『だい!だい!だいすけおにいさん!!』(ネット動画配信サービスHuluで放送)で放送された。
歌詞では、女性が「お母さん」になる前は「一人暮らし」をしたり、おしゃれを楽しんだり仕事をしたりしていたが、子育てを機に生活が変わったことが母親の視点で描かれている。
▼歌詞の一部
一人暮らししてたの おかあさんになるまえ
ヒールはいて ネイルして
立派に働けるって 強がってた
今は爪きるわ 子供と遊ぶため
走れる服着るの パートいくから
あたし おかあさんだから
あたし おかあさんだから
眠いまま朝5時に起きるの
あたし おかあさんだから
大好きなおかずあげるの
あたし おかあさんだから
新幹線の名前覚えるの
あたし おかあさんだから
あたしよりあなたの事ばかり
こうした歌詞に対し、子育てを最優先にする"献身的な"お母さん像を「呪い」のように押し付けているなどの意見がTwitter上で寄せられた。また、母親が一人きりで子育てに取り組む「ワンオペ育児」を賛美している、母親ではない女性たちも軽視しているなどの批判もあった。
Twitterでは楽曲のタイトルをもじって「#あたしおかあさんだけど」というハッシュタグが作られ、「おかあさんだけど」好きなことをして、あらゆる生き方を楽しんでいる様子をポジティブに伝えるツイートが相次いで投稿された。
2月2日、作詞を担当したのぶみさんは自身のTwitterで「日本中のママたちに話を聞いて作り上げた曲」として楽曲を紹介した。ネット上で議論が起きていることを受け、のぶみさんは5日、Facebookでコメントを発表。
「僕が作詞した歌 あたし、おかあさんだからが大批判を受けている、とトップニュースになってしまいました」とコメントし、心境をつづった。
のぶみさんは、「批判の内容を見てみると あたしおかあさんだからガマンしたことを歌詞にしていると書いてある」と言及。「僕としては、あたしおかあさんだから体験できたことを歌詞にしてます、それで僕もおかあさんじゃないから おかあさんたちに聞いたり おかあさんにエピソード募集して作ってます」と、歌詞が母親たちの体験談をもとに出来上がったものと説明した。
その上で、「これは、元々 ママおつかれさまの応援歌なんだ 泣いてる人もたくさんいた」とし、「この歌がそんなダメなのか 自分で聞いてみて欲しい 聞いてやはりダメ、嫌いというならそれでしょうがないし 私は、よかったと感じる人もいると思う」と心境をつづった。
【UPDATE 2018/2/5 21:40】
2月5日21時までに、のぶみさんがFacebookに投稿したコメントは削除された。