私が広報として関わった国際ビジネスコンテスト、アジア・アントレプレナーシップ・アワード2014が15日、最終日を迎えた。その模様をレポートする。
今年が3度目の開催となる本大会は、アジアから世界を変える若き起業家たちが集まり、技術やビジネスモデルを競い合う"日本発"の国際イノベーション・アワード。アジア最先端のテクノロジーとアイデアを発展させ、エネルギー、健康、食料、貧困といった世界的課題を解決するための新産業を想像する場として、2012年より開催されている。
主催は一般社団法人フューチャーデザインセンター。
■ファイナル進出は18社中6社
本年度は合計18の企業がノミネートされ、最終日には以下の6社がファイナルプレゼンテーションに進出した。
T.Ware Pte. Ltd. (シンガポール)
<事業内容>癒しを与える触れ合い(タッチ)の提供
YTODAY SDN. BHD.(マレーシア)
<事業内容>若者と企業や政府機関をつなぐオンライン手段の提供
Wuxi Hisky Medical Technologies Co., Ltd.(中国)
<事業内容>世界初の画像誘導非侵襲性肝線維症診断システムの開発
AK Surya PowerMagic Pvt. Ltd.(インド)
<事業内容>持続可能な灌漑方法の開発
RAD Green Solutions Inc.(フィリピン)
<事業内容>少量の燃料で多くの熱を生み出す技術の開発
GISSCO CO., LTD.(タイ)
<事業内容>半固体金属ダイカストの開発
なお、日本からはAgIC株式会社(東京都文京区)、株式会社イーディーピー(大阪府豊中市)、Eigooo株式会社(東京都世田谷区)、株式会社京都マテリアルズ(京都府京都市)の4社がノミネートされたが、惜しくもファイナルステージへの進出は逃した。
■優勝はT.Ware社 自閉症、PTSDに伴う症状緩和が期待されるT.jacketの開発
最終プレゼンテーションを終え、本大会のグランプリに輝いたのはシンガポールから参加した T.Ware社。
エアポケットが内蔵されたジャケットに空気を送り込むことで、あたかも着ている人を抱きしめているかのような圧力をかける。主に自閉症やPTSDに伴う症状緩和に効果が期待されるという。個々のジャケットはクラウドに接続され、保護者による遠隔操作やパーソナルデータの保存、またGPSによる児童の居場所検知などを可能としている。
T.Ware社は現在、T.jacketの開発で蓄積したノウハウをもとに、新たに生活習慣病へアプローチする製品の開発を、大手ファッションブランドと連携のもと進めているという。
参考リンク
"親に抱きしめられている感覚"を再現する特殊なジャケット「T.Jacket」
自閉症児童のサポート効果に期待 | Techable(テッカブル)
優勝したT.Ware社には賞金300万円のほか、起業家、クリエイター、エンジニア、研究者など、職種や立場を超えた個人が集まり共働くプロジェクトを生み出す会員制コワーキングスペース「KOIL パーク」への2年間無料入居券、JALボーナスマイル等が贈呈された。
■関連リンク
アジア・アントレプレナーシップ・アワード2014公式サイト
一般社団法人フューチャーデザインセンター
KOIL | 柏の葉オープンイノベーションラボ
■ポスターセッションの模様
■特別講演の模様
同日にはファイナルプレゼンテーション審査員をつとめた佐々木かをり氏(株式会社イー・ウーマン/株式会社ユニカルインターナショナル 代表取締役社長)による特別講演も行われた。