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2年で128倍の流通額に。「時流を先取り」する3つの情報収集術とは。「食べチョク」秋元里奈さんに聞いた

誰よりも早い「コロナ禍の生産者支援」や様々な季節に合わせたキャンペーンを実施し、2年で128倍の流通額へと急成長――。産直通販サイト「食べチョク」を運営し、報道番組「Nスタ」コメンテーターとしても活躍する、食べチョク代表・秋元里奈さん。一次産業との出会い、「安定志向」を変えた一言、ビジネスを急成長へと導いた「3つの情報収集術」などを聞いた。

情報収集によって、誰よりも早く「時流」を読む――。そんな手法でスタートアップを急成長させているのが、産直通販サイト「食べチョク」を運営する秋元里奈さんだ。

25歳で起業、報道番組「Nスタ」などでも活躍する秋元さんは、なぜ大躍進を続けられるのか。「安定志向」からの転機、ビジネスを成長させる情報収集のコツなどを聞いた。

秋元里奈(あきもと・りな)さん:神奈川県相模原市の農家に生まれ、2013年にDeNA入社。退社後、16年にビビッドガーデンを創業。17年に産直サイト「食べチョク」を始め、リリース3年で認知度・利用率など6つのNo.1を獲得。2020年までに累計8.4億円を資金調達。TBS 「Nスタ」でもコメンテーターとして活躍。
秋元里奈(あきもと・りな)さん:神奈川県相模原市の農家に生まれ、2013年にDeNA入社。退社後、16年にビビッドガーデンを創業。17年に産直サイト「食べチョク」を始め、リリース3年で認知度・利用率など6つのNo.1を獲得。2020年までに累計8.4億円を資金調達。TBS 「Nスタ」でもコメンテーターとして活躍。
Yuko Kawashima

■「安定志向」だった自分を変えた、上司の一言

── 農家などの生産者と消費者を結びつける産直サイト「食べチョク」を運営されています。起業のきっかけを教えてください。

実は、中学生の時に実家の農家が廃業して以来、農業とはほとんど接点がなくなっていたんです。

転機は5年前、25歳の時。「自分のやりたいことは?」と考え始めた頃、偶然にも「実家の農地だった土地でイベントができないか」と誘いがありました。そこで久しぶりに実家を訪れたら、ショックを受けて…。美しかった畑が、無残に荒れ果てていたんです。

農家や漁師は収益が安定しづらく、後継者も見つかりにくい。私の実家のような光景は全国でよく見られます。「何か一次産業に貢献できる事業をしたい」と思い立ち、会社を設立。「食べチョク」の運営を始めました。

「食べチョク」のサイト。「生産者の"こだわり"が、正当に評価される世界へ」がコンセプト。生産者自身で値決めができ、高い還元率を実現。生産者から"チョク"で届く、収穫から最短24時間以内の鮮度の高い食材が自慢。作り手と買い手の直接コミュニケーションを促す機能も充実している。
「食べチョク」のサイト。「生産者の"こだわり"が、正当に評価される世界へ」がコンセプト。生産者自身で値決めができ、高い還元率を実現。生産者から"チョク"で届く、収穫から最短24時間以内の鮮度の高い食材が自慢。作り手と買い手の直接コミュニケーションを促す機能も充実している。
食べチョク

── もともと起業を志していたんですか?

いいえ、まったく(笑)。もともとは安定志向タイプです。大学時代は金融工学を専攻。親のすすめもあり、大手を目指して「DeNA」に就職しました。でも、そこでの出会いが、図らずも起業に結びつきました。

忘れられない一言があって。ある時、情報収集と人脈づくりのため、恐る恐る他部署の本部長をランチに誘ったんです。「かなり勇気がいりました」と打ち明けたら、こんな言葉が返ってきました。

「何をやっても命が奪われるわけじゃない。まずは一歩を踏み出してみて」

Yuko Kawashima

ハッとしました。思えばためらう理由って、大抵「ちょっと傷つくかも」といった漠然とした不安だけ。そう気づいてから、ガラッと意識が変わりました。「恐れず挑戦してみよう」って。

■流通額は128倍に。情報収集で「時流を先取り」

── 起業後、ビジネスを拡大したきっかけは?

2020年3月はじめ、どこよりも早く「コロナ禍の生産者支援」をスタートしたことです。同年2月末に、一斉休校で小中高の給食が一気に止まったんです。私は生産者のSOSをいち早く察知。そこから社員一丸で準備をし、数日でアクションを起こしました。

食べチョクは、どこよりも早く「コロナ禍の生産者支援」を始めたことで、注目を集めた。
食べチョクは、どこよりも早く「コロナ禍の生産者支援」を始めたことで、注目を集めた。
食べチョク

結果、取り組みが多くのメディアで取り上げられることに。ユーザーからの反響も大きく、1カ月分の注文量が1日で入ることもありました。生産者さんの認知度もアップし、登録数は2年間で600軒から6000軒の10倍に。流通額は128倍にまで急成長しました。日頃から情報収集によって「時流を先取り」したことが、チャンスにつながりました。

■ビジネスチャンスを掴む、3つの情報収集術

── 時流を先取りし、ビジネスチャンスを掴むためには、どのように情報収集すればいいですか?

1.業界の「生の声」に耳を澄ます

自分の関わる業界にいる方々の「生の声」を傾聴すること。私がコロナ禍で誰より早く生産者支援を始められた理由は、まさにこれです。

私はよく生産者さんと連絡をとりますし、Twitterのタイムラインは生産者さんのつぶやきばかり(笑)。毎日こまめに情報をチェックしていると、温度感のようなものがわかります。例えば、いつもポジティブな情報を発信している人が、「(コロナ禍で)やばい」と一言つぶやいた。そんな変化から、事態の深刻さに気づけました。

2.コメントは「両論」をチェック

人々の意見や世間の温度感を知るため、ニュースに対する様々な読者の意見も意識して読んでいます。特に、両論を知ることが重要です。

例えば、私はスタートアップの経営者という立場上、物事を肯定的、楽観的にとらえる癖があります。さらにSNSでは、どうしても自分と似た意見が目につきやすい。

一方、大手の媒体などでは、同じニュースでも慎重な意見や否定的な意見が見られます。「観点の違いはどこにあるのか」媒体を変えながら、多様な意見を学ぶこと。それが経営判断につながります。

3.SNSや新聞を使い分け、偏りを減らす

秋元さんは、SNSや新聞を使い分けて、情報のバランスを意識
秋元さんは、SNSや新聞を使い分けて、情報のバランスを意識
Yuko Kawashima

SNSと新聞などの大手媒体、意識的に情報のバランスを意識しています。「Nステ」で多くのニュースに触れるうちに、政治や社会…一見自分のビジネスとは無関係に見える話題も、本質はつながっていると気づきました。同時に、「幅広いトピックを理解しないと、大きな経営判断ができなくなる」と危機感を抱いたんです。

現在、「情報に偏りがある」という前提で、平日はSNSのトピックスなどをチェックしています。週末は、新聞などで「広さ」「深さ」を意識した情報収集。経済欄でも、以前はスタートアップ情報ばかり見ていましたが、大手メーカーのニュースなども意識して読んでいます。新聞の魅力は「パッと見たときに、興味がない事柄も含め、幅広いニュースが目に入る」ことですね。

── 週末に新聞をまとめ読みされるとのこと。特に朝日新聞デジタルへの感想や活用方法を教えてください。

情報量の深さと質、多面性に優れていますよね。新聞社は1つの話題に対して、複数の観点で述べていることが多い。特集記事を読むと、1つの記事から、さらに深掘りしていける動線があるのも便利です。

秋元さんの「朝日新聞デジタル」スクラップブック。
秋元さんの「朝日新聞デジタル」スクラップブック。
Yuko Kawashima

それから、MYキーワード機能は、見逃しを防ぐのに重宝しています。例えば「食べチョク」を登録していたら「ここでも取り上げてもらっていたんだ」と、新たな記事に出会えました。「農業」など業界別に情報が集約されているのもいいですね。気になった記事はスクラップ機能で保存して、まとめ読みしています。スクラップしておけば、お気に入り記事の一覧がつくれるのもいいですね。

朝日新聞デジタルは、特に若手から30代くらいの、幅広い情報を得たい人におすすめです。新卒の頃は、自分の仕事を学ぶので精一杯。でも、次に知識の幅を広げていきたいタイミングがくるはず。そんなステージにいる人の情報収集にとても役立つと思います。

── 最後に、秋元さんにとって「情報」とは?

情報とは「自分の選択肢を広げてくれるもの」。例えばキャリアに迷った時。「やりたいことが見つからない」なんて時は、普段と違う情報に接してみてください。思わぬところから、興味ある分野に出会えるかもしれません。

Yuko Kawashima

私も最初は一次産業で起業なんて、考えもしませんでした。人や情報との出会いを経て、新たな選択肢を見つけたんです。幅広い情報に積極的に触れること。それが、「やりたいこと」「好きなこと」に近づく道だと思います。

***

秋元さんが情報収集で心がけていたことは、

「業界の『生の声』に耳を澄ます」
「コメントは『両論』をチェック」
「SNSや新聞を使い分け、偏りを減らす」

の3つ。

特に偏りを減らし、“広く、深い”情報を手に入れたい人、新たな視点を手に入れたい人は、朝日新聞デジタルを購読してみては。きっと、未来の選択肢を広げてくれるはずだ。

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