一緒にいて化学反応が起こる人と、なにも起こらない人の違い

お互いに「表現」という共通点はありますが、たどってきた道が違うので面白い化学反応が生まれるんです。

こんにちはー。 縄跳びパフォーマーの粕尾将一(@macchan8130)です。

自分はこれまで競技スポーツとして、そしてシルクドソレイユではサーカスとして縄跳びをしました。同じ縄跳びが題材でも、切り口を変えると全く違うモノになるのが面白いんですよねー。

今回は新たなプロジェクトとして「造形芸術」とのコラボレーションに挑戦してきました。

縄跳びを跳んで絵を描こう!!

2016年は縁あって「かがわ・山なみ芸術祭」に参加させてもらっています。この芸術祭は瀬戸内国際芸術祭が「海・島」で行われているので、「山」でも同じく芸術を盛り上げたら面白そう!という思いから生まれたそうです。

「かがわ・山なみ芸術祭2016」は、香川県の山間部を舞台とし、エリアの特性を十分に引き出しながら、地域、アーティスト、行政の、願いと力を結集して開催する。時代を切り拓くヒントを与えてくれるような独創的な芸術祭になることを目指していきたいと考えている。

かがわ・山なみ芸術祭2016《公式サイト》

「かがわ・山なみ芸術祭」では地域とのつながりを大切にしています。この考えからアーティストと保育園・幼稚園生と一緒に作品作りをして、未来の香川県を担う子ども達が芸術と触れ合うワークショップを行うことになりました。

このワークショップの一つに「なわとびピョンピョン絵を描こう」の講師で参加させてもらいました。

アーティスト同士の会話から生まれる化学反応

芸術祭には自分のような身体表現・ダンスの人間ばかりでなく、ぺインター、写真家、彫刻家など、造形作品を創るアーティストが多く参加しています。お互いに「表現」という共通点はありますが、たどってきた道が違うので面白い化学反応が生まれるんです。

今回のチャレンジも、他のアーティストのアイディアから生まれました。でもチャレンジの半分ぐらいは「ノリ」だったんですよね。

当然ながら縄跳びで絵を描いた経験がある人なんて誰も居ません。絵具はどうするのか、ロープはどうするのか、どんな布なら綺麗に色が出るのか、そもそも子ども達と一緒にやって上手く絵になるのか...誰も正解が分からず、手探りの挑戦でした。

ただ・・・自分一人じゃこの発想は出てこなかったでしょう。仮に出たとしても実践できずに終わっていた。

でも「かがわ・山なみ芸術祭」は様々なジャンルのアーティストが一堂に会する場所。だからこそ、普段のコミュニティにはない化学反応が生まれる。しかもみんなが面白がって実践まで移しちゃう!!

この状況、めちゃめちゃ面白くないですか??

子どもの元気が生み出した「意図しない」作品

元気いっぱいの子ども達25人と描いた作品はこんな感じになりました。

©Shunya Asami

©Shunya Asami

©Shunya Asami

©Shunya Asami

ロープの軌跡、回転で飛び散った絵具、引っかかった時のロープの形、子どもの足跡。どの部分も意図しては描けません。一緒にトークで盛り上がったアーティストの1人は「こんな作品になったの...なんか悔しい!」とも。

おわりに

ワークショップ後も、アーティスト同士でずーーっとトークを続けてました。

お互いの事に興味もあるし、なにより新しいことが生れる空気感に全員がワクワクしている。このワクワクの中で、今回の「なわとびで絵を描く」というアイディアも生まれました。

自分自身、造形アーティストとじっくり話をするのは初めてでした。でも不思議と会話は盛り上がるんです。表現に対する考え方、芸術に対する哲学、価値観、どれを取っても会話の興味が尽きません。

(※)結局明け方3時まで飲みながら深い話をしていました。

これまでは「縄跳びでどこまでできるか」に挑戦してきました。つまりそれは縄跳びという境界の中で模索を続けてきたのだと思います。

シルクから帰ってきた今、これからは少し外から眺めて「縄跳びで何ができるか」に挑戦していきたいですね。

(2016年02月27日「なわとび1本で何でもできるのだ」より転載)

注目記事